試合終了間際にドラマが!!槙野の値千金同点弾でアウェーゴールで上回った浦和が川崎を下す【ルヴァン準々決勝・第2戦】

2021年09月05日 本田健介(サッカーダイジェスト)

川崎が一時は2点のリードを得るも…

激しい攻防となった一戦。アウェーゴールの差で浦和が準決勝へ進出した。(C)SOCCER DIGEST

[ルヴァンカップ準々決勝・第2戦]川崎3-3浦和/9月5日/等々力

 9月5日、ルヴァンカップ準々決勝の第2戦として、等々力陸上競技場で川崎と浦和が対戦した。

 浦和のホーム・駒場スタジアムで行なわれた第1戦は1-1のドロー。川崎がアウェーゴールを得て第2戦へと入った。

 ホームの等々力では約3か月ぶりのゲームとなった川崎は怪我人が続出し、特にCBはレギュラークラスが軒並み負傷。高卒の1年目、SBとCBをこなす田邉秀斗が初の先発出場を果たした。

 川崎のシステムは4-3-3。GKチョン・ソンリョン、最終ラインは右から橘田健人、山村和也、田邉、登里享平、中盤はアンカーにジョアン・シミッチ、インサイドハーフに脇坂泰斗、家長昭博、3トップは右から小林悠、レアンドロ・ダミアン、宮城天の並びとなった。

 対する浦和は4-2-3-1。GKは鈴木彩艶、4バックは右から宇賀神友弥、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、明本考浩、ボランチに平野佑一、柴戸海、中盤2列目は右から関根貴大、小泉佳穂、汰木康也、CFに江坂任が入った。


 開始2分、川崎の田邉のボールロストから浦和が攻め込むなど、まずはアウェーチームがリズムを掴む。8分には先制にも成功した。CB岩波の後方からのフィードに抜け出した江坂がGKとの1対1を冷静に制してネットを揺らした。

 その後、川崎は宮城、L・ダミアンらを中心に攻めるが、なかなかビッグチャンスは作れない。

 すると川崎の鬼木達監督は30分過ぎからシステムを4-4-2に変更。最終ラインはそのままに、ボランチに脇坂、J・シミッチ、2列目の右に家長、左に宮城、2トップに小林、L・ダミアンの並びに変更した。

 この采配が当たる。40分には川崎らしいパスワークで同点に追いつく。左サイドの宮城が斜め前の家長にパスを送ると、家長はワンタッチで縦にスルーパス。エリア左を抜け出した小林が折り返し、L・ダミアンが冷静に押し込んだ。

 前半はこのまま1-1で折り返す。
 
 川崎は後半頭に田邉に代えて、浦和との第1戦で負傷交代していたジェジエウを投入。さらに58分には宮城に代えて長谷川竜也を送った。

 一方の浦和は63分に汰木に代えてユンカーを投入する。

 後半も一進一退の攻防が続いた。川崎は細かくパスをつないでチャンスを窺う一方、浦和はユンカー、明本らのスピードを生かして攻めた。

 そして77分にゲームが動く。川崎は左からのCKを得ると、脇坂からのボールを山村がDFやGKと競り合いながら打点の高いヘッドを決めた。

 1点を追う浦和は79分に3枚代え。伊藤敦樹、田中達也、西大伍をピッチへ送る。

 しかし川崎が突き放す。83分には再び左CKから今度は脇坂のキックにニアでJ・シミッチが頭で合わせてリードを2点に広げた。

 87分には右サイドのクロスから、GKが弾いたボールがジェジエウ、そしてユンカーの足に当たり、ゴールへ。浦和が1点を返す。

 そして試合終了間際にドラマが待っていた。直前に投入された槙野智章が、CKの流れからこぼれたボールを押し込んで値千金の同点弾をマーク。これで2試合トータルスコア4-4となり、浦和がアウェーゴールで川崎を上回り、準決勝へ進出。川崎は4冠の夢が潰えた。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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