「欲を言えば来年にでも…」U-20日本代表MF樺山諒乃介が抱くパリ五輪とマリノスへの想い

2021年09月04日 安藤隆人

この夏に出場機会を求めて横浜から山形へ期限付き移籍「魅力的なサッカーをしている」

U-20日本代表の合宿に参加した樺山。古巣の横浜との練習試合では持ち前の突破力を見せた。写真:安藤隆人

 東京五輪が終わり、サッカー界は次回のパリ五輪に向けて動き出した。ターゲットとなる大会を3年後に控えたU-20日本代表は千葉県内で合宿を行ない、中日となる9月1日に横浜F・マリノスとの練習試合に臨んだ。

 この試合、ひと際気迫を前面に出していたのが、モンテディオ山形のMF樺山諒乃介だった。それもそのはず、彼はつい1か月半前までは横浜でプレーしていた。

「前から楽しみにしていた試合」と語る彼は、左サイドハーフとしてボールを受けたら迷わず仕掛け、何度も得意のカットインを披露した。だが、放つシュートはことごとくDFに引っかかったり、枠を捉えきれず、ノーゴールのまま前半のみで出番を終えた。
 
「いざやってみて45分という少ない時間だったけど、ほぼ知っている選手たちばかりだったのでやっていて楽しかったです」

 樺山は今年、興國高から横浜に入ったばかり。高卒ルーキーながら開幕戦スタメンを勝ち取り、リーグ5試合に出場していたが、5月26日のJ1リーグ16節の大分トリニータ戦で11分間出場して以降は試合から遠ざかっていたこともあり、実戦経験を求めて7月22日に山形への育成型期限付き移籍の決断を下した。

 山形は今年4月にピーター・クラモフスキー監督が就任。クラモフスキー監督は今季途中まで横浜に在籍していたアンジェ・ポステコグルー監督の右腕として2018年からの2年間、ヘッドコーチを務めるなど、ポステコグルー監督と志向するサッカーはほぼ同じ。その縁もあり、「J1からJ2とカテゴリーは落ちましたが、山形が目指しているサッカーというのは、マリノスに近いものがあって、魅力的なサッカーをしていると思うので、ここで結果を出せる選手になりたい」と、樺山の決断を後押ししたのだった。

 山形では途中出場ながらすでに3試合に出場。ここからレギュラー獲得を狙っている彼にとって、ここでの年代別代表は大きな刺激になっていた。

「東京五輪、A代表を観ていても、一緒にプレーしたり、マッチアップしたことがある選手がいて、その選手が活躍している。『僕もこういう注目された試合でプレーしたい』と思うし、やっぱり目指すのは世界に出てプレーをするということ。このジャージを着たらよりその気持ちが強まりますね」
 

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