【セルジオ越後】最終予選へ絶対的に期待したいのは大迫でもなく、南野や堂安、鎌田でもなく…

2021年08月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

なんの反省も聞こえてこないけど…五輪チームはA代表の強化に大きな影響を及ぼしていない

9月に開幕するワールドカップ最終予選に挑む日本代表。越後氏は守備陣に比べ攻撃陣に不安があると語る。写真提供:JFA

 ワールドカップ・アジア最終予選に臨む日本代表メンバーが発表されたね。東京五輪が終わって初めてのA代表の招集とあって、どんな顔ぶれになるのかと思ったら……。特にサプライズというようなものはなかったね。一言でいえば、"不動のメンバー"だった。

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 オリンピックが終わって、とくに大会の反省といった声が聞こえることもなく、女子は新しい監督も迎えて何事もなく、次のチームが始まったような感じになっている。男子も森保監督が五輪の延長でA代表の仕事に移ったような印象だけど、今回のメンバーを見ればオリンピックのチームはA代表の強化にとくに大きな影響を及ぼしていないことが明確だよ。

 五輪チームからは6人が選ばれたけど、GKの谷以外は元々A代表に入っていた選手たち。しかも先発で出られそうなのはセンターバックの冨安は別格として、左サイドバックの中山が絡んでいけるかというくらい。板倉と谷は、まだ少し厳しいし、攻撃陣にいたっては堂安と久保くんしか選ばれておらず、ふたりともA代表では鎌田や伊東の壁を超えるには至っていない。結局、今回の東京五輪ではここが一番残念に思うところで、大会を通じてA代表の選手を脅かすような攻撃面の新たなタレントが台頭してこなかったんだ。最終予選のメンバーは、五輪はオーバーエイジのおかげであそこまで行けたといっているようなものだね。

 海外に移籍した田中碧や三笘、林といった選手たちの名前もない。まだ移籍したばかりで、まずは向こうで結果を残してからという考えもあるかもしれないが、それでも彼らはJリーグで十分に結果を残したり、五輪でもチームの軸になっていたりしたわけだからね。選ばれた顔ぶれを見ると、東京五輪のチームにはまだそこまで信頼がないのか、なんとなくロシアの時のメンバーにまだまだ頼らざるを得ないのかなという感じだよ。

 ただ、五輪代表の選手たちもここで黙っているわけにはいかないだろうね。選ばれた選手たちは途中出場からでも爪痕を残して、メンバー外の選手も所属チームで結果を残して這い上がっていく逞しさを見せてほしい。学校スポーツじゃないんだから、年齢が上がったらチャンスが来る、みたいになったら困るよ。
 

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