【岩本輝雄】“やられる”感じがしなくなってきた横浜FCが最下位を脱出。注目すべきは左サイドの連係向上

2021年08月26日 岩本輝雄

個人的に押し込まれる展開は、むしろ“アリ”

フェリペが途中出場から待望の移籍後初ゴール! 期待の新助っ人が結果を出しつつあるのは大きい。写真:滝川敏之

 リーグ再開後、ここまで4試合を消化して2勝1分1敗。降格圏に沈む横浜FCが着実に勝点を積み重ねている。直近のガンバ戦は3-1で勝利して最下位を脱出。良い流れを掴みつつあると思う。

 まず、夏の補強で獲得した助っ人選手たちが期待に応える活躍を見せているのが大きい。ガンバ戦ではシルバとフェリペが得点。DFのガブリエウも良い仕事をしていたし、GKのブローダーセンは終盤にビッグセーブを披露した。

 シーズン途中から採用している3-4-2-1システムもハマっているよね。対人に優れるタイプを並べた3バックは強固で、両サイドにはスピードのある選手を配置し、激戦区のダブルボランチは攻守両面でアグレッシブに戦う。そのうえで、前の3人は献身的に守備をこなしつつ、攻撃では躍動感あふれるプレーを見せる。

 新戦力を含め、それぞれが自分の役割をきちんと理解して実践。チームとしてさらにまとまりが出てきたように見えるし、"やられる"感じがしなくなってきた。おそらく、選手たちも自信を持って戦えているんじゃないかな。

 もっとも、今後も相手に押し込まれる時間が多いゲームが続くかもしれない。ただ、個人的にはそれはそれで、むしろ"アリ"なんじゃないかとも思う。守備時は5バック気味に構えて粘り強く守りながら、カウンターを狙う。松尾や高木、マギーニョなどスピードのある選手の鋭い仕掛けは脅威を与えられるはず。
 
 無理に攻め合う必要はない。相手にボールを持たれていても、押し込まれているのではなく、相手を引き込んでいるという意識で、その背後を狙う。そういう、したたかさがもっと出てくれば、さらに勝点は増えてくると思う。

 注目しているのは、左サイド。松尾と高木のコンビネーションがもっと深まってくれば、それこそふたりだけでゴールを仕留められそうな雰囲気がある。確固たる得点パターンをひとつでも増やすことも重要だと思う。

 残留圏の16位エスパルスとは勝点7差。まだまだ開きはあるけど、十分に射程圏でもある。次節は14位のレイソル戦。今季はルヴァンカップを含め、3度対戦して2勝1分と相性の良い相手に、どんな戦いを見せられるか楽しみだね。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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