【名古屋】なぜJリーグを選んだ?EURO出場のポーランド代表FWヤクブ・シュヴィルツォクが移籍を決めた背景

2021年08月15日 本田健介(サッカーダイジェスト)

愛称は“クバ”

名古屋に加入し、先日の横浜戦で早速、デビューを飾ったシュヴィルツォク。先のEUROにもポーランド代表として出場した。(C)SOCCER DIGEST

 ポーランド代表として先日のEUROにも出場。名古屋に新たに加わった"クバ"こと、ヤクブ・シュヴィルツォクはシーズン後半戦の注目選手のひとりだ。

 イタリアが制した先のEUROで、ポーランド代表はグループリーグ敗退。シュヴィルツォクもチームのエース、ロベルト・レバンドフスキらがいるFW陣のなかで、第3戦のスウェーデン戦に途中出場したのみだった。それでも、現役代表ストライカーがJリーグに参戦するとなれば、やはり楽しみである。

 チームに合流したばかりであったが、8月12日のアウェーでの横浜戦で早速、65分にJデビュー。鋭いシュートを放つなど能力の高さを垣間見せた。

 自らの特長については「実際に見てください。自分で表現するのは難しいので」と笑顔を見せつつ、「ただボックスのなか、危険なところでボールをしっかりキープでき、ゴールを決められるのは自分の良さだと思います」と説明する。

 さらに名古屋は4-2-3-1を基本システムにするなか、1トップ、2トップ、どちらでもこだわりなく振る舞えるとも話し、プレーエリアも広いようだ。チームが求めてきた前線の選択肢を増やす点取り屋として期待は高く、昨年末の右膝の大怪我から戦列復帰が近づきつつある金崎夢生との強力2トップを形成するシチュエーションもあるかもしれない。
 もっともカイザースラウテルン(ドイツ)、ルドゴレツ・ラズグラド(ブルガリア)、ピアスト・グリヴィツェ(ポーランド)などに所属してきたポーランド代表FWがなぜ、Jリーグ挑戦を選んだのか、気になるところである。最近は神戸のアンドレス・イニエスタ、トーマス・フェルマーレンら一流選手のJリーグ参戦が増えてきたが、彼らに触発されたわけではないようだ。背景には日本の環境、名古屋のクラブとしての魅力に惹かれた部分があったようだ。

「この国でしっかりプレーしたいと思い、ここに来ました。この国は良い国と聞いていますし、(名古屋は)日本のなかでビッグクラブです。ヨーロッパでプレーするのと同様、良いプレーを見せたいです。Jリーグは素晴らしいリーグ。自分の人生においても良い時期になるように願っています」

 さらに「日本は人生を過ごす上でもいい国ではないかなと思いました。スタジアムも見ました、すごく良かったです。練習環境なども気に入りましたし、そこが移籍を決めた要因でした」とも語り、「全体的に良いオファーをいただけました。いろんな場所でプレーしたかったですし、異なる文化も感じてみたかったです」と移籍の背景を説明する。

 日本、そしてJリーグに好印象を持っている様子で、そのポジティブな感情が、ストライカーとしての働きをどう後押しするか。

 ちなみに愛称"クバ"の由来は「ヤクブという名前ですので、そこからきました。小さい頃からそう呼ばれていました」とのこと。今後はクバの名前が多くのゴールシーンに登場するかもしれない。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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