三笘薫は「天才」と呼べるのか。元日本代表ふたりが独自の視点で回答

2021年08月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「現役Jリーガーで最高の天才はイニエスタ」(岩本)

岩本氏、名良橋氏は三笘を「天才」と見ているのか、それとも……。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

名良橋 彼のことは中学時代から知っているけど、どちらかと言うと天才ではない。

岩本 俺も「NO」。筑波大時代の仙台戦(天皇杯)で5人抜きドリブルでゴールを決めた時は「うわっ、すごく速い」という印象があったけど、天才とは少し違うかな。Jリーグの中では別次元のところまで来ているけどね。天才と言えば(元フランス代表の)ジダン。どんなプレーも簡単にできちゃうし、その意味では(元スペイン代表の)グティもそう。あとは、相手の出方によってプレーを変えられる選手も天才だと思う。中村憲剛や家長はそのタイプに近い。

名良橋 中村や家長も判断スピードがずば抜けている。その点では小野伸二も同じタイプかな。

岩本 現役Jリーガーで最高の天才はイニエスタでしょ。ボールの置きどころからして違う。360度の視野を持っていて、一発のパスで局面も打開できるし、あれこそ本物の天才。そう考えると、三笘はプレースタイル的にも少し違うかなと。

名良橋 今季前半戦の鹿島戦もそうだけど、三笘は相手の間合いに入ると消えてしまう印象が強い。自分が不利な状況で何ができるのか。そこが今後の課題に映る。
 
岩本 振り返れば、(3月26日にU-24代表として戦った)アルゼンチン戦でも相手に上手く間合いを取られて苦労していた。まあ、これからですよ。ドリブルで言えば良い手本がいるじゃないですか、ネイマール(ブラジル代表)っていう。彼のドリブルは分かっていても止められない。そういう感覚を身に付けてほしい。

名良橋 それは一理ある。

岩本 今は天才じゃないけど、そこの領域に近づける可能性は秘めていると思う。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)・多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

※サッカーダイジェスト6月24日号に掲載されたものを加筆・修正して転載。

【五輪代表PHOTO】U-24日本1-3U-24メキシコ|三笘が反撃の1点を返すも追加点が遠くメキシコに敗戦 53年ぶりのメダル獲得とはならず...
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事