『清水×横浜』の見どころは立ち上がり15分の攻防! J1リーグが本格再開、プロ分析官が注目の一戦を徹底展望!

2021年08月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

松岡先発起用の可能性も十分にある

杉崎氏が予想した「清水対横浜」のフォーメーション。

 J1リーグは8月9日、東京五輪による中断から本格的に再開。各地で23節の10試合が行なわれる。IAIスタジアム日本平では、14位の清水エスパルスと2位の横浜F・マリノスが相まみえる。

『サッカーダイジェストWeb』では、Jリーグの各クラブでスカウティング担当を歴任し、2019年には横浜でチームや対戦相手を分析するアナリストとして、リーグ優勝にも貢献した杉崎健氏に、23節・清水対横浜の勝負のポイントを伺った。

 確かな分析眼を持つプロアナリストは、この注目のゲームをどう見るのか。予想布陣の解説とともに、試合展開を4つの状況に分け、それぞれの見どころを語ってもらった。

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●清水エスパルス
今季成績(22節終了時):14位 勝点23 5勝8分9敗 22得点・30失点

●横浜F・マリノス
今季成績(22節終了時)※1試合未消化:2位 勝点49 15勝4分2敗 42得点・18失点

【予想布陣解説】
 清水は、前回7月17日に行なわれた川崎戦から、約1か月で怪我人がどれだけ戻ってこられるか。エウシーニョは、6月30日に怪我を受傷してからすでに5週目。全治4週の発表なので、右サイドバックで起用できる可能性もあります。

 ボランチは竹内涼と宮本航汰だと予想していますが、鳥栖から加入した松岡大起がいきなり先発ということも十分に考えられます。左サイドハーフはカルリーニョス・ジュニオが川崎戦で負傷交代しており、その試合で途中出場した滝裕太を配置。ただ中村慶太が怪我から復帰していれば、彼を起用することもあるでしょう。

 清水のシステムは川崎戦と同じ4-4-2にしていますが、ロティーナ監督はこれまで頻繁にシステムを変えてきました。前回、横浜と対戦した時に使用した5-3-2をもう一度使う可能性もあります。相手のシステムや戦術などを考えながらシステムを変更する監督なので、若干変化を加えてくることも考えられます。

 松岡をいきなりアンカーで使って、トップ下に滝、もしくは中村を起用して、中盤をダイヤモンド型にする形も可能。G大阪と同じにすることもあり得ます。清水のシステム、人の配置は図の通りにならない形も十分あるでしょう。

 逆に横浜は8月6日にG大阪戦があって、清水戦は中2日の試合。それ以降も連戦が続くので、同じメンバーをずっと継続することはないだろうと考えています。

 ただ、前線の4名はG大阪戦で途中交代していて、全員90分やっていないので、スタートはこの4人でいけるでしょう。逆に後ろはいじらざるを得ない。CBのチアゴ・マルチンスが出場停止で、そこの人選がどうなるか。前節ボランチだった岩田智輝を一列下げるか、もしくは實藤友紀の2択だとは思います。

 ボランチは渡辺皓太が現在別メニュー調整中。喜田拓也が前節フル出場しているので、岩田と扇原貴宏で組んで、喜田をベンチに置いておくこともできる。メンバーの怪我の具合を踏まえ、最終ラインとボランチの6枚にどの選手を使うのかは見どころです。
 

次ページ清水の自陣からの攻撃vs横浜の敵陣での守備

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