【3決展望】日本×メキシコ|敵は前回対戦時より確実に強くなっている。高強度プレスが機能すれば/東京五輪

2021年08月04日 河治良幸

遠藤の回復具合がチームのパフォーマンスにも影響

メキシコとはGSで対戦し、堂安(10番)の1得点・1アシストの活躍など2-1で勝利している。苦手意識はないだろうが、敵は当時より確実に強くなっている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)/JMPA代表撮影

 スペインとの準決勝は延長戦の末、0-1で敗戦。日本の大目標である金メダル獲得というミッションには挑めなくなったが、メダル獲得の可能性は残されている。

 3位決定戦の相手は、グループステージの2試合目に対戦したメキシコ。その時の試合は開始6分に久保建英が先制ゴールを決め、11分に堂安律のPKで2-0に。さらに68分にはホアン・バスケスが一発退場となり、残り時間を数的優位で戦うことに。

 その後、追加点を奪えないまま終盤にロベルト・アルバラードのゴールで1点差にされたが、なんとか2-1で逃げ切った。

 日本としてはゲーム運びに課題を残したものの、苦手意識はないだろう。しかし、メキシコは日本の環境の中で実践を重ねたことにより、当時より確実に強くなっている。

 グループ突破のかかった3試合目で南アフリカに3-0の勝利を飾ると、準々決勝では韓国にオーバーエイジのFWエンリ・マルティンの2得点など、大量6点を奪って勝利した。ブラジルとは120分戦って0-0のまま迎えたPK戦で涙を飲んだが、悔しさの中にも手応えがあった試合だろう。

 4-3-3の中で中盤の三枚を可変させながら、うまく左右のウイングが起点になり、クロスやリターンパスに応じて2枚、3枚と絡んでいく。ブラジル戦は右ウイングに飛び出しの得意なウリエル・アントゥーナが先発起用されて、左利きの高速ドリブラーであるディエゴ・ライネスは後半途中から投入された。
 
 日本は前回対戦で左サイドバックに中山雄太が入り"ライネス封じ"に成功したが、今回はアントゥーナが先に出て、あとからライネスという順番になる可能性は高い。そこでの対応はひとつポイントだ。

 ブラジルと120分戦ったあとに中2日という状況で、コンディションを考えながらの選手起用になって来るのは日本と同じだ。6枚のカードを交代したブラジル戦でフル出場したボランチのルイス・ロモなどはハイメ・ロサーノ監督としても外しにくい選手。日本側では遠藤航が似た状況にある。お互い攻守の要と言える存在だけに、回復具合がチームのパフォーマンスにも影響してきそうだ。
 

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