【女子ワールドカップ】課題と収穫が混在したスイス戦。澤の存在は希望も、守備面に大きな不安を残す

2015年06月09日 馬見新拓郎

果敢な仕掛けを見せたスイス攻撃陣の対応に苦しむ。

先制するまでは良いリズムで試合を運べた日本。その後はスイスの攻撃陣に手を焼いた。(C) Getty Images

 女子ワールドカップ連覇を目指すなでしこジャパンは、グループリーグ初戦でスイスを1-0で下し、白星スタートを切った。グループCのなかで最も警戒していた相手に勝てた点は大きい。しかし、結果は残せたものの守備面において多くの課題が残った。
 
 金色のチャンピオンエンブレムを身に付け初戦に臨んだ日本は、序盤、慎重に相手の出方を窺った。それでも「スタートは思いのほかスイスのプレッシングがなかった」(佐々木監督)と相手の静かな立ち上がりを見ると、試合前に水を撒いたピッチにも徐々に慣れ、速く細かいパスワークを披露。
 
 そして29分には大儀見の浮き球のパスに安藤が反応し、相手GKタールマンと交錯。安藤は負傷交代となるが、このプレーでPKを得ると、宮間が冷静に決めて先制に成功した。
 
 だが、先制後は元ドイツ女子代表のフォステクレンブルク監督率いるスイスの攻撃陣に手を焼いた。ドイツの強豪クラブなどでプレーするスイスの選手たちに果敢に1対1を仕掛けられると、その対応に苦慮。CBの岩清水や左SBに入った宇津木らは、最後まで相手の10番バッハマンを抑えることができず、ピンチを迎えた。
 
 初戦で快勝した優勝候補のドイツや、同日に他会場で試合を行なったスウェーデンを始め、最終ラインでミスをするチームが多いなか、日本もまた満足のいく守備を披露することはできなかった。ドリブルで仕掛けてくる相手への対応など修正すべき点は多い。
 
 また、試合後に大儀見が「リードしているなか、ボールを保持して相手を動かすのか、全員の意思が合っていなかった。スイスを一旦、相手陣内に押し込まないとボールを奪われた後、すぐにカウンターを受けてしまう」と話したように、リードした際の試合の運び方も改善ポイントとなる。

次ページ澤の存在は心強い限り。

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