ワールドサッカーダイジェストが厳選!「移籍マーケット 今夏の主役候補TOP20」 アンヘル・ディ・マリア & ゴンサロ・イグアイン

2015年06月08日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

デパイ獲得はディ・マリア放出への動きか。

強盗被害の影響もあり、精彩を欠いたディ・マリア。1年でマンチェスターを後にするのか。 (C) Getty Images

 今夏の移籍マーケットを賑わす主役候補を『ワールドサッカーダイジェスト』が厳選してお届けするシリーズ企画。
 
 第9弾は、アルゼンチン代表の大物ふたり、アンヘル・ディ・マリアとゴンサロ・イグアインの動向に迫る。
 
――◆――◆――
 
今夏の主役候補(17)
アンヘル・ディ・マリア(MF/マンチェスター・ユナイテッド)
 
 5月中旬、アンヘル・ディ・マリアの立場について意味深な発言をしたのは、他でもないマンチェスター・ユナイテッドの指揮官だった。
 
 アルゼンチン代表MFの周辺に退団や売却の噂が流れるたび、ファン・ハール監督は擁護の姿勢をとってきた。移籍1年目である事実や生活習慣の違い、言葉の問題などを理由に挙げながら、スランプから一日も早く抜け出してほしいと庇ってきた。
 
 ところが、アーセナルとの大一番を翌日に控えた5月15日、以下のように注文をつけたのだ。
 
「アンヘルは振る舞いを改めなければならない。もっとクラブが望む形に沿って、行動しなければならないんだ。どの選手にも要求していることで、もちろん彼にもできるはずだ。まずは頭のなかで、そうしたいと望まなければならない」
 
 不満の表われ、と取られてもおかしくない内容だ。
 
 2月に自宅が強盗被害(未遂)に遭って以来、本人は家族の安全確保を第一に考え、英国外のクラブへの移籍を望んでいるとされる。確執とまではいかないものの、ファン・ハールとの関係もぎくしゃくしており、チーム内で孤立傾向が強まっているとの一部報道もある。
 
 ファン・ハールのこの発言の少し前に、クラブはメンフィス・デパイの獲得(PSVから)を決め、さらにニコラス・ガイタンの獲得でベンフィカと合意に達したようだ。いずれもウイングの有望株であり、ディ・マリア放出への動きと見られなくはない。
 
 しかしながら、昨夏に英国史上最高額の5970万ポンド(約101億円)の移籍金で獲得した超大物を、クラブとしては簡単に手放すつもりはないだろう。売却交渉のスタート額は最低でも4000万ポンド(約68億円)と考えており、相手はおのずと資金面で余裕のあるメガクラブに限られる。
 
 バイエルンとパリ・サンジェルマンは早い段階から手を挙げて獲得の意思を明らかにしてきたが、1年前ならいざ知らず、現在のディ・マリアにそこまでの大金を注ぎ込むべきか、再検討しているはずだ。
 
 コパ・アメリカ開幕を目前に控えた6月6日、「アンヘルはマンチェスターに残るだろう」とコメントしたのは、アルゼンチン代表のマルティーノ監督だ。
 
 はたしてディ・マリアは、わずか1年でプレミアリーグを去るのか、それとも再起を期して2年目の挑戦に臨むのか――。

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