なでしこジャパン、紙一重のグループリーグ突破…スウェーデン戦の勝機はどこにある?【東京五輪】

2021年07月29日 西森彰

お互いにグループリーグ突破の可能性が残っていたチリ戦。相手も撃ち合いに出てきた

先制ゴールを奪った田中。じりじりとした展開のなかで、チームを救う一発となった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 勝てば無条件でグループリーグ突破が決まるチリ戦。なでしこジャパンが最終戦に臨む一方で、グループFの中国とザンビアが勝点1に留まっている以上、日本は、引き分けでもグループリーグ突破の可能性は残る。

 なでしこジャパンの高倉麻子監督は、イギリス戦からメンバーを4名入れ替えてきた。イギリス戦をパスした菅澤優衣香と、限定された時間のプレーとなっていた岩渕真奈、そして、左サイドバックの北村菜々美が先発に復帰。そして宝田沙織が、キャプテンの熊谷紗希と組んで初出場した。第3GKの平尾知佳以外に、イギリス戦で奮闘した南萌華、塩越柚歩、宮川麻都はベンチも外れた。

 未だ勝点がないチリも、この試合に勝てば、グループリーグ突破の可能性は小さくない。ここまでの2試合、自分たちがフレッシュな序盤と、相手が疲れた終盤に、本格的な攻勢をとっていたが、この日はキックオフから打ち合いに出てきた。食いつく守備陣をはがす展開を想定していたが、日本のパスは相手陣内でも、ほとんどカットされることなくつながっていく。
 
 そんな中、日本は、開始30秒も経たないうちに、岩渕がシュート。2分にも菅澤がシュートと、出だしから積極的な立ち上がり。17分に、早くも杉田妃和が決定機を迎え、得意の左足でシュート。エンドレルに止められたが、期待を抱かせた。

 チリが攻撃を重視して、ウイングバックに高いポジションをとらせたこともあり、両サイドの深い位置にスペースができる。日本は、このスペースをサイドハーフと、サイドバックの連係で活用し、中央へマイナスのボールを多く配給。あわやオウンゴールというシーンも生まれた。

 しかし、これがオーストラリア戦からの3試合で、岩渕の2ゴールだけというチームの現状か、それともチリのGKエンドレルの圧力か。時間とともに、ゴールの匂いが遠ざかっていく。前半終了間際、エリア内でボールを受けた岩渕のキープから、清水梨紗がシュートを放つが、これもエンドレルの身体に当たってゴールはならず。0対0のスコアで折り返す。
 

次ページスウェーデンは最終戦でターンオーバー。余力のある相手にどう立ち向かう?

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