「一体感って、何かね?」U-24代表の“ベンチ外”メンバーが身をもって教えてくれたこと【厳選フォト】

2021年07月28日 金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

森保監督が常々口にする「チームのために」を体現

それぞれが自分にできることでチームをサポートした“ベンチ外”メンバーの4人(左上から時計回りで鈴木、町田、冨安、瀬古)。写真●金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 一体感、団結力、一枚岩……団体スポーツでは大事なことだと想像はつく。選手も監督もよく口にするフレーズだから、やっぱり大事なんだろう。

 ただ、ちょっとフワッとしている感じもする。乱暴な言い方をすれば、そう言っておけばいい、みたいな。あって当たり前でしょ、みたいな。

 手垢のついた常套句、ありふれた事象だと思っていたので、深く考えてこなかったけど、「もしかしてこういうこと?」と思わされるシーンがあった。

 東京五輪の男子サッカー。メキシコ戦の試合前アップ。ベンチ入りできなかったメンバーがピッチ脇に出てきて、アップする選手たちをサポートする。

 ベンチに入った選手たちがボール回しを始めると、熱心に声掛けして盛り上げる。その後は、鈴木彩艶はGKの練習補助(主にボール拾い)。町田浩樹は田中碧のパス交換の相手を務め、球出しをする。瀬古歩夢は個々のペットボトルが入ったポーチを手にして、汗をかいて引き上げてくる選手たちに手渡し(その時に声かけも)。

 冨安健洋は怪我の影響もあってか、特に動いていなかったけど、仲間たちを鼓舞するように声をかけていた。

 メキシコ戦は2-1で勝利。試合後、ベンチ外の選手たちもスタンドからピッチに降りてきて、その場での軽いミーティングに参加。笑顔で出場メンバーを労っていた。
 
 その日はメンバー入りできない悔しさが当然、あったはず。でも、チームの勝利のために一丸となっている様子が伝わってきた。森保監督が常々口にする「チームのために」が体現されていると感じずにはいられなかった。

 一体感、団結力、一枚岩。なんとなく分かった気がした。そういえば、1-0で勝った南アフリカとの初戦、試合後にスタジアムのオーロラビジョンに得点シーンが流れると、スコアラーの久保建英をみんなで祝福する場面もあった。

 U-24代表、良いチームだ。

取材・文・写真●金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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