【J1採点&寸評】浦和×清水|浦和が興梠のゴールで勝ち切るも、優勝は持ち越し

2015年06月07日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

興梠のストライカーらしい決勝点は、まさしくMOMに値する。

【警告】浦和=青木(71分) 清水=松原(31分)、枝村(45分)、M・デューク(90+1分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】興梠慎三(浦和)

【試合内容】
 序盤から目まぐるしく攻守が入れ替わり、互いにチャンスが生まれる展開。そのなかで要所の精度で上回る浦和は決定機を生み出すも、李のシュートミスなどで先制の機会を逃してしまう。
 
 後半はサイド攻撃を仕掛ける清水に押される時間もあった浦和だが、エースが一瞬の隙を見逃さない。52分、エリア近辺の密集地帯から興梠にボールがこぼれると、背番号30はワンフェイクで犬飼を交わして左足を一閃。このシュートがゴール右隅に収まり、優勝に近付く貴重な1点を挙げた。
 
 その後の浦和は守備に重心を置きつつ、カウンター狙いの戦術へシフト。西川、那須を中心に守備陣の奮闘も光り、そのままタイムアップの笛を聞いた。
 
 他会場でG大阪が引き分けたため、今節での浦和の優勝はお預け。それでも開幕15戦無敗という新記録を手に、第1ステージ制覇に王手をかけた。
 
【J1 PHOTOハイライト】浦和 1-0 清水
 
【チーム採点・寸評】
浦和 6.5
ここ数試合で目立った早い時間帯での失点を避け、粘り強く勝利をもぎ取る。G大阪の結果に関わらず、あと勝点1で優勝が決まる。
 
清水 5.5
90分を通じて概ね善戦を見せ、押し込む時間帯もあったが、最後の精度を欠いてゴールならず。浦和に比べてイージーなミスが少なくなかった。
 
【浦和|採点・寸評】
GK
1 西川周作 6.5
23分に致命的なパスミスを犯した以外は万全の出来。80分には大前のシュートを横っ飛びで弾き出し、勝点3を引き寄せた。
 
DF
36 岡本拓也 6
コンディションの上がらない森脇に代わってリーグ戦初出場。組み立てはもたついたが、守備では気迫あふれるパフォーマンス。
 
4 那須大亮 6.5
P・ウタカのパワーに手を焼いて何度かポストプレーを許すも、要所を締めるベテランらしい働き。67分のシュートブロックも見事。
 
5 槙野智章 6.5
指揮官から「前半は中央に寄り過ぎた」と指摘され、後半に修正。タイミング良く攻撃に絡みながら本職も疎かにしないバランス感覚が秀逸。
 
MF
24 関根貴大 6
前半からM・デュークと激しくマッチアップし、懸命に上下動を繰り返す。そのせいか、終盤はややガス欠に陥った印象。
 
8 柏木陽介 6
低い位置では球離れ良くパスを回し、バイタルエリアでは相手の急所を狙う。プレーのチョイスが光った。腰痛のため大事を取って交代。
 
22 阿部勇樹 6.5
バランサーとしての安定感は、やはり別格。危険なスペースを埋めながら、タイミングの良い縦パスで崩しの可能性を広げた。
 
3 宇賀神友弥 5.5
下がりながらボールを撥ね返すなど、気の利いた守備を見せる。一方の攻撃面では枝村の対応に持ち味を消され、躍動感がなかった。
 
20 李 忠成 5.5
ポジショニングが上手かった半面、前半からことごとく決定機を外すなど最後の精度に難あり。早い時間帯での交代も妥当だろう。
 
19 武藤雄樹 6
縦に抜け出すスピードに秀で、何度か相手を置き去りにする。正確なグラウンダーのクロスでもチャンスを演出した。
 
FW
30 興梠慎三 6.5
柔軟なポストワークで相手の裏を取る。ストライカーらしい一瞬の判断と正確なショットで沈めたゴールは、MOMに相応しい一撃だった。
 
交代出場
MF
16 青木拓矢 6
1点リードの状況で、守備に重心を傾けるべくピッチへ。相手のパスの出どころを潰し、失点のリスクを減らしていた。
 
MF
7 梅崎 司 6
シャドーの位置から献身的にプレスを掛ける。何度かドリブルでペナルティエリア内に侵入するなど、攻守で与えられた役割を完遂。
 
MF
13 鈴木啓太 -
足をつった岡本に代わって出場。ボランチの位置で相手の突破に備え、途中出場の清水の選手の特長を上手く消した。
 
監督
ペトロヴィッチ 6.5
前掛かりになり過ぎず、90分間バランス良く戦った。9節・G大阪戦以来の完封で、優勝まであと一歩に近付いている。

次ページパワフルなM・デュークのプレーにはゴールの匂いが漂っていたが。

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