「草の根支援にこれ以上の方法はない」マンCが地域クラブに26台のAEDを提供!「倒れた際は時間との戦いなんだ」

2021年07月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

AEDの迅速な使用で生存率は最大70%アップ

マンCが地域クラブにAEDを提供した。(C)Getty Images

 マンチェスター・シティが、命を救う草の根活動を実施した。英紙『Daily Mail』が7月20日付けで伝えている。

 昨季2年ぶり7度目のプレミアリーグ制覇を果たした王者が今回行なったのは、地域クラブへのAEDの提供だ。以前から地方自治体と協力してこの取り組みを進めていたが、EUROでデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンが倒れた事件をきっかけに、その存在の重要性が再び世間に認知されるようになったなかで、26台もの新機器を寄贈した。

 50メートル以内にAED設置を義務付けるガイドラインはあるものの、その範囲内(道路を挟んだ近所のスーパーマーケットやヘルスセンターなど)にあるものを利用できるクラブは、優先的にAEDを受け取ることができず。こうした危機的状況を念頭に置いていたシティによる行動だった。AEDの迅速な使用で生存率は最大70パーセント、アップするという。

 シティ・イン・ザ・コミュニティのアンバサダーを務めるアレックス・ウィリアムス氏は、「草の根レベルのクラブでは、AEDを設置できないところがたくさんある」とコメント。

 さらに2003年のコンフェデレーションズカップで、ローンでシティに所属していたカメルーン代表MFマルク=ビビアン・フォエが肥大型心筋症のためピッチ上で死亡した際も、スタッフとしてクラブに在籍していた同氏は当時を振り返り、支援活動の重要性をこう説いている。
 
「マルクは本当にショックだった。彼はクラブの中でも最も体力のある選手のひとりだったから、ショックはさらに大きかったんだ。このようなことが誰にでも、どこにでも起こりうるということを痛感した。

 誰かが倒れた際は、時間との戦いなんだ。プレミアリーグのクラブとして、また大きな財団として、草の根をサポートするのにこれ以上の方法はない。健康と安全が第一だ。最近、プロの選手だけでなく、幼い子どもたちがサッカー場で心臓に問題を起こすという事件がいくつかあった。AEDを確実に設置することで、クラブはその場で状況に対処することができる」

 悲劇を繰り返さないために――。AEDの設置はもちろん、使い方をきっちりと把握しておくことも大切だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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