代表とトップパートナーが振り返る“リアル”南葛SC前半戦総括――高橋陽一先生も期待する今季のキーマン2選手とは?

2021年07月28日 伊藤 亮

高橋陽一先生(株式会社南葛SC社長)×大木啓彰氏(KLab株式会社プロデューサー)対談――前編 「当然厳しい戦いになるとは予想していましたが……その通りでした」(高橋)

『キャプテン翼』の原作者で株式会社南葛SC代表取締役の高橋先生とKLab株式会社の『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』プロデューサーの大木啓彰氏。写真:徳原隆元

 南葛SCの2021年シーズン、初めての挑戦となる関東リーグ2部での前半戦が終了した。
前半8試合の成績は4勝3分1敗。この成績をどう見るか。

 クラブの代表であり、『キャプテン翼』の作者でもある高橋陽一先生。そして、今シーズンからユニホームの胸にロゴを入れることになったKLab株式会社で『キャプテン翼』のアプリゲーム運営・開発に携わり、南葛SCの試合もくまなくチェックしている大木啓彰氏。

 チームに深く携わり、かつ立場が異なる両者に各々の視点から見た南葛SCの姿を語り合ってもらった。

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 南葛SCが今年から属する関東サッカーリーグ2部は、7月4日の前期9節をもって前半戦が終了。新型コロナウイルス感染拡大により、東京都に緊急事態宣言が発令された影響もあり、前期第6節の試合は8月に延期になったものの、前期8試合の戦いぶりを振り返ってもらった。

大木 初めて戦う関東リーグ2部は、どのチームのレベルも高い印象でした。南葛SCが昨シーズンまで戦っていた東京都リーグ1部よりさらに戦術的なチームが多く、どのチームにも個で勝負できる選手が必ずいるように見受けられます。でも、これだけ高いレベルの中で、南葛SCは前期で1敗しかしていません。個人的にはすごく良い成績できていると感じています。

高橋 東京都リーグでは一発勝負だったのが、関東リーグ2部だとホーム&アウェーで同じチームと2度対戦できる点には変化を感じていました。一発勝負だと気持ち的に追い詰められていたところにゆとりが生まれたといいますか。ですが、全然楽ではありませんね。カテゴリがひとつ上がったので、当然厳しい戦いになるとは予想していましたが……、その通りでした。順位に関係なく、どのチームとの試合も気が抜けない感じです。順位的に調子が上がっていないように見えるチームと対戦したとしても、確実に勝点3を取れるほど甘くはありません。

大木 高橋先生は上を見据えていらっしゃるのでまた印象が違うと思っていましたが……。でも南葛SCも確実に強くなっていますよね。今シーズンから新加入した選手でいえば、左SBや左ウイングバックに入ることの多い下平匠選手、また左サイドハーフに入ることも多い幸野志有人選手のいる左サイドに注目しています。この2人がいる左サイドで試合を作っていくことが多いのかなと。彼らのテクニックや時間の作り方、試合の動かし方は見ていて面白いです。

高橋 おっしゃる通りですね。彼ら2選手が今季の新しいアクセントになっていると思います。

大木 自分は昨シーズン、一度も観戦に伺えませんでした。コロナ禍の影響で。でも今シーズンは4月11日に有観客で行なわれたホーム戦(葛飾区奥戸総合スポーツセンター陸上競技場)でほぼ1年ぶりに行かせていただいて。久しぶりだったせいもあるかもしれませんが、観客がすごくたくさんいる印象でした。みんな待っていたんだな、と。サポーターの数は増えていますよね?

高橋 事前登録制を導入して、葛飾区から言われている上限人数いっぱいまで入れることにしたのですが、本当にたくさんの方に来ていただきました。奥戸はメインスタンド以外は芝生になっているんですけど、区にお願いしてそっちも開放できれば、もっとたくさんの人に来てもらえるのでは? と思うほどでした。アウェーで行われた前期9節のアイデンティみらい戦も、雨模様だったにもかかわらず多くのサポーターに来ていただいて。みなさんに暖かく支えてもらっているなと実感しました。徐々にですけど、サポーターの数が増えているのも感じているところです。
 

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