金田喜稔がホンジュラス戦を斬る!「前半は完璧。ただ後半は…。ゲームコントロールの再整理が必要だ」

2021年07月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

自分たちのリズムを出せない状況で、どう対処するか

堂安(10番)の2得点など3-1でホンジュラスを下した日本。ただ、後半はペースを握れない状況をどうしのぐかという点で気になる時間帯があった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

[国際親善試合]U-24日本3-1U-24ホンジュラス/7月12日/ヨドコウ桜スタジアム

 前半はパーフェクト。ホンジュラスがどれぐらいの力を持っているかは分からなかったけど、日本が相手の力を出させなかったのは間違いない。久保のセットプレーから吉田が先制点を奪い、連動性ある攻撃で堂安が追加点を挙げて、2点のリードで折り返す。本大会に向けて、自信を持っていい戦いぶりだった。

 ただ、後半は少なからず気になる時間帯があった。ホンジュラス戦のスタメンは半分以上が欧州組で、シーズン中のJリーガーと比べれば、多少、ゲーム感から離れている側面がある。その点は差し引いて考えなければならないが、疲れが出たのか、前半に見せていたようなプレーができなくなる時があった。

 2点のビハインドを背負っているホンジュラスは後半、一気に5人を替えて、攻撃の強度を上げてきた。前がかりとなった相手に対し、日本は前半と同じ距離感、同じ角度でパスをつなごうとしたけど、ボールの失い方が悪く、それを何度か繰り返していた。

 自分たちのリズムを出せない状況で、どう対処するか。特長のパスワークが乱れたら、チームとしてどこにボールを収めるのか。

 基本的には両サイドに起点を作って、相手を揺さぶるようにする。そこで無理に攻めなくてもいい。注意したいのは、ボールを奪った相手がそのままの勢いでゴールに突き進めるようなシチュエーションをなるべく作らせないことだ。
 
 2点差をつけているゲームは、やはり勝ち切らなければいけない。実際、オウンゴールで失点したあと、3点目を奪って勝負を決めてはいるが、後半はゲームコントロールという意味で今一度、整理したほうがいいと思う時間帯があまりにも長かった。

 本番を考えれば、ホンジュラス戦のようにうまくいく保障はない。メキシコやフランスといった力のある相手に対し、ペースを握れない時間帯をいかにしのぐか。最悪、ボールを"取られてもいい場所"に運んで、なおかつそこで取られないように数的優位を作り、キープする。リードしているとしたら、そのまま逃げ切るのか、膠着状態を保つようにするのかといった点も含め、状況に応じて、チームとしてどう戦うかを再確認すべきだろう。準備をしても、し過ぎることはないのだから。

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