「ガレスは失敗した」「イタリアが勝者にふさわしい」レジェンドたちは、イングランドの敗戦をどう見た?

2021年07月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

「PKの人選に異論はない」とネビル氏

PKを外したサカ(25番)を迎え入れるサウスゲイト監督。その手腕にも疑問符が。(C)Getty Images

 現地時間7月11日に行なわれたEURO2020の決勝で、イングランド代表はPK戦の末にイタリアに敗れた。

 開始2分にルーク・ショーのゴールで先制してリードを奪った同代表だが、67分に追いつかれると、延長戦までもつれ込んでも得点を奪えず。PK戦では、マーカス・ラッシュフォード、ジェイドン・サンチョ、ブカヨ・サカの若手3人が失敗し、大会初制覇の夢は潰えた。

 この試合を見守っていたレジェンドからは、様々な声が上がった。

 現地局『ITV』に出演していた元英代表ガリー・ネビル氏は「PKの人選には様々な意見が出るだろう。だが、練習でのパフォーマンスを見ての選出であれば、異論はない」と述べたという。

「サカが歩いてくるのを見たとき、おそらく(ジャック・)グリーリッシュか(ラヒーム・)スターリングがその前に蹴るのだと思った。だが、グリーリッシュのPKには明らかに問題があるので、ガレス(・サウスゲイト監督)は得点できそうな選手を選んだのだろう。

 彼らはここ数週間の合宿で、誰が多く得点しているかを把握しているはずだ。マーカスは重要なことを除いて、すべて正しく行なった。サンチョとサカは少し下手で、素晴らしいGKの前に大きなチャンスを与えてしまった」

 また、同席していた英代表OBイアン・ライト氏も「サンチョもラッシュフォードも、自分たちが1点を取ると信じていたはず」とネビル氏に賛同している。
 
 一方、怒りを露わにしたのは、元アイルランド代表でユナイテッドOBのロイ・キーン氏だ。PKを外した選手ではなく、中堅選手たちの姿勢と監督に苦言を呈している。

「グリーリッシュやスターリングのような選手が、サカのような若い子を前に引っ込んでいてはいけない。自分のほうが多くの試合に出て、もっと多くの経験を積んでいるのに、19歳の子どもが目の前を歩いていくのを黙って見ていた? 練習から何かが足りない証拠だ。 

 それに、スポーツは科学やデータでは再現できないんだ。巨大なGKを前にした巨大なスタジアムでの決勝戦は、どんなに手を尽くしても、あらかじめ準備できない。かつて、マイク・タイソンが『顔にパンチを食らうまでは、誰もが計画を練っている』と言っていた。ガレスは、データと計画を信じすぎて失敗した」

 また、英公共放送『BBC』に出演した代表OBのフランク・ランパード氏は「純粋にサッカーの観点でいえば、イタリアが勝者にふさわしかった」と力負けを認めている。

「密室の練習場ではPK戦の想定もするが、実際にスタジアムにいるとプレッシャーのレベルが違うんだ。(PKのキッカーにスターリングを推す声があるが)彼が根っからのPKテイカーとは思えない。とても難しい分析だったと思う」

 悲願のEURO初制覇はならず。だが、OBたちの胸にも様々な感情が去来したようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】イングランド対イタリア、ウェンブリースタジアムで行われたEURO決勝ハイライト!

次ページ【動画】イングランド対イタリア、ウェンブリースタジアムで行われたEURO決勝ハイライト!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事