【名古屋】あまりの低調ぶりにブーイングも…。今こそ問われる西野監督の手腕

2015年05月31日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

攻撃オプションの乏しさが得点力不足を招く結果に…。

2トップの一角に入ったノヴァコヴィッチ(左)の出来も、攻撃を停滞させた一因に。前線で起点になれずシュートも0本に終わった。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 直近のリーグ戦4試合で1得点と極度の得点力不足に悩む名古屋は、前後半通じてわずかシュート3本しか放てなかった。これといって攻撃の形を作れなかったのだから、決定機もなく無得点に終わったのも、必然の結果と言えた。

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 もっとも、攻撃に課題が表出したのはこの試合に限ったことではない。
 
 十八番のカウンターへの対策を講じられている最近の試合では、永井のスピード溢れる突破や川又の得点嗅覚といった個々の能力が活かせていないうえ、「カウンター以外の攻撃パターンをなかなか構築できていない」(西野監督)。つまり、攻撃オプションの乏しさが得点力不足を招いている。
 
 アタッカーの組み合わせを入れ変えるなど試行錯誤を続けるなか、山形戦では現在の基本布陣である3-4-2-1ではなく、「得点力を上げるためにストライカーを増やしたかった」(西野監督)との理由から前線の枚数を増やした3-5-2を採用。しかし、ポゼッションに固執するあまり、逆効果になってしまった。
 
 西野監督は「2トップ(川又とノヴァコヴィッチ)にポイントを作らせて、そこから連係で攻略しようと思った」と狙いを打ち明けたが、実際のところ起点すら作れなかったのは誤算だったろう。遅攻時に攻めあぐねる悪癖も手伝い「ずっと同じリズムでパスを回していただけ」(川又)では、相手の守備ブロックを崩せるはずもない。
 
  ゴールを奪う気がないのか――。試合後にサポーターから浴びせられたブーイングには、そんなメッセージが込められていてもおかしくないほど、低調ぶりが浮き彫りとなった。

次ページ「無理にパスをつなごうとせず、シンプルに考えるべき」(川又)。

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