【W杯最終予選】日本は初戦で中国と対戦しなくてラッキーだ 

2021年07月03日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

オマーン、中国、サウジに希望を持たせてはいけない

2次予選でも長友(5番)と良い連係を見せていた大迫。最終予選でも森保ジャパンのエースとしてゴールを期待したい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 2021年7月1日、ワールドカップ・アジア最終予選の組分け抽選会が行なわれた。結果、グループBに振り分けられた日本はオーストラリア、サウジアラビア、中国、オマーン、ベトナムと同居。ホーム&アウェー方式での戦いで2位以内に入れば本大会出場(3位はプレーオフへ)となるが、日本のスケジュールは以下のとおりだ。

2021年
9月2日(木)対オマーン(H)
9月7日(火)対中国(A)
10月7日(木)対サウジアラビア(A)
10月12日(火)対オーストラリア(H)
11月11日(木)対ベトナム(A)
11月16日(火)対オマーン(A)
2022年
1月27日(木)対中国(H)
2月1日(火)対サウジアラビア(H)
3月24日(木)対オーストラリア(A)
3月29日(火)対ベトナム(H)

 ひとつラッキーなのは、初戦の相手が中国ではなかったこと。帰化政策を進める中国は、ブラジル出身のエウケソンやフェルナンジーニョなど強力なアタッカーを擁しており不気味な存在だ。最終予選で台風の目になる可能性があり、日本にしたら勢いに乗らせたくないチームである。

 その中国は初戦、難敵オーストラリアとアウェーで対戦。日本にとって、オーストラリア戦で彼らの情報を得られるのは大きい。対策を立てられるという点で、敵地とはいえ中国と2戦目で当たるのは悪くないだろう。

 もっとも、現時点で最終予選を展望してもあまり意味がない。日本がどんなメンバー構成で臨むかも分からない状況で、細かく分析するのはナンセンスだろう。しかし、これだけは強調したい。最初の3試合が大きなポイントになると。

 振り返れば前回の最終予選は、UAEとの初戦を落としながらも続くタイ戦を2-0とモノにし、3戦目のイラク戦で劇的な勝利を収めた。1-1で迎えた後半のアディショナルタイムに山口蛍が決勝ゴールを決めて、チームに勢いをもたらしたからこそ4戦目以降を良い雰囲気で戦えたというのが個人的な見解だ。
 

 最初の3戦は最低でも2勝1分で乗り切りたい。4戦目にB組最大のライバルと目されるオーストラリア(2次予選はクウェートやヨルダンらと同組で8戦全勝)とのホームゲームが組まれている点を踏まえても、オマーン、中国、サウジアラビアを相手に負けは許されない。ここで日本が黒星を喫すればグループBは混戦になる可能性があるので、それを避けるためにもオマーン、中国、サウジアラビアに希望を持たせてはいけない。最初の3戦でこの3か国の戦意を削げれば理想的だ。

 2次予選を全勝で勝ち抜け、森保ジャパンへの期待はそれなりに高まっている印象がある。オナイウ阿道、川辺駿らの台頭でチーム力は底上げされ、良い流れのまま最終予選を迎えられそうだが、仮にオマーンとの初戦で勝点3を獲り逃がせば……。2次予選で積み上げた自信が消え失せる恐れはある。サッカーはある意味メンタルスポーツで、技術云々ではなく気持から崩れるケースが少なくない。良い流れを保つためにも、オマーン戦での勝利は必須だ。

 森保一監督の手腕を改めて検証する意味でも、最初の3戦はキーポイントになる。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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