【連載】識者同士のリーガ放談「今シーズンのリーガの“顔”は――ベスト11を選ぼう」

2015年05月29日 豊福晋

オタメンディはバレンシアにとって最高の買い物。

速さと強さを兼備するオタメンディは、加入1年目ながらDFリーダーとしてバレンシアの堅守を支えた。 (C) Getty Images

豊福晋:今回はシーズン総括として、リーガのべスト11を選んでみたいと思います。ロホがセレクトしたのは、以下の11人ですね。
 
GK:ブラーボ
DF:カルバハル、オタメンディ、ピケ、ガヤ
MF:ラキティッチ、イボーラ、モドリッチ
FW:メッシ、C・ロナウド、ネイマール
 
ルイス・フェルナンド・ロホ:まずはGKから見ていこうか。ブラーボは誰もが納得の選出だろう。リーガ最少失点のチームの守護神だ。19失点。この数字がなによりの評価材料だ。
 
豊福:たしかに、ブラーボを上回るGKはいないですね。
 
 バレンシアのジエゴ・アウベスはPKストップで魅せましたし、セビージャのセルヒオ・リコもシーズン途中からですが、21歳とは思えない安定したセービングを見せた。アトレティコのオブラクも良かった。
 
 でも、ブラーボは圧倒的でした。
 
ロホ:ブラーボは何が良いって、あの安定感だ。派手なセーブこそないが、それはポジショニングがいいからで、肝心な場面できちんと仕事をした。
 
豊福:右サイドバックですが、カルバハルですか?(笑)
 
ロホ:ここは目ぼしい選手がいなかったんだ。ただ、マドリーが無冠に終わったから印象がいまひとつかもしれないが、カルバハル自身は良かったよ。走れるし、1対1にも強い。フィジカルが充実していた。
 
豊福:僕はビジャレアルのマリオ・ガスパールを推したいですね。スピードがあって、1対1の強さもリーガ屈指。攻撃面には改善の余地を残しましたが。
 
 ちなみにバルサのダニ・アウベスはどうでしょう?
 
ロホ:良かったのは最後の2か月間だけ。シーズンを通した評価では、ベスト11に入れるべきではないかな。
 
豊福:まったく同感です。
 
 センターバックに移りましょう。ロホが選んだのはオタメンディとピケですね。オタメンディは本当に素晴らしかった。
 
ロホ:バレンシアは最高の買い物をしたよ。チャンピオンズ・リーグの出場権を獲得できたのは、あの堅い守備があったから。その中心にいたのがオタメンディだ。
 
豊福:なによりも身体能力の高さは際立っていました。
 
ロホ:身体能力が高く、当たり負けしない。それでいてスピードがある。加入1年目であっという間に定評を確立したな。リーガ有数のセンターバックという定評だ。
 
 ピケも全盛期のパフォーマンスを取り戻した。序盤はどうなることかと思ったが、ぐんぐんと調子を上げて、マスチェラーノとともに堅守を築いた。
 
豊福:個人的には、オタメンディとマスチェラーノですね。ただ、これはもう好みの問題。ピケもマスチェラーノも同じように評価できる。ともにバルサ優勝の陰の立役者ですね。
 
ロホ:マスチェラーノになくてピケにあったのが、得点なんだ。今シーズンのバルサはセットプレーから多くのゴールを決めている。それに貢献したのがピケだった。5得点は立派な数字だよ。
 
豊福:左サイドバックのガヤは、今シーズンのサプライズのひとりですね。
 
ロホ:私の中では最大の驚きだった。彗星のごとく現われて、序盤の話題をさらっていった。攻守に質の高いプレーを披露したから、この夏にはビッグクラブへ移籍するだろう。

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