【J1前半戦ベスト11 Vol.3】“堅守”を誇った名古屋、鳥栖から各2名。最終予選で再抜擢の期待が懸かるのは…

2021年06月22日 元川悦子

MVPは得点だけでなく守備でも貢献したレアンドロ・ダミアン

元川氏が選出したJ1リーグ前半戦のベストイレブン。

 J1リーグはおおよそシーズンの約半数の試合を消化。6月20日時点で川崎フロンターレが21試合消化と最も多く、新型コロナウイルスの影響で出遅れたガンバ大阪も15試合を戦っている。そこで本稿では、代表戦再開前までのJリーグ前半戦を振り返り、ベストイレブンを識者に選出していただいた。フリーライターの元川悦子氏が選んだ11人とは――。

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 2020年J1&天皇杯王者の川崎フロンターレが21戦無敗という驚異的な強さを見せている2021年J1前半戦。現時点の勝点は55で、2位・名古屋グランパスに18差をつけている。試合数はひとつ多いものの、すでにタイトルは確実と言われる。史上最速連覇も射程距離に入ってきている状態だ。

 その川崎を攻撃面で力強くけん引するのが、20試合で12ゴールを奪ったレアンドロ・ダミアン。ここ一番でチームを勝たせる得点を取ってくれる勝負強さ、頭抜けた決定力はもちろんのこと、守備面の献身性が素晴らしい。これだけハードワークする外国人FWは本当に稀有な存在。そういう意味でも、前半戦MVPに相応しい。
 
 同じ川崎勢からは、J1全試合フル出場の山根視来、中盤のダイナモ・田中碧、守備の統率役・谷口彰悟を選んだ。出場時間数で見れば、ここまでチーム3位の家長昭博もリストに入れるべきなのだが、得点数が7点と他のアタッカー陣よりわずかに下回る。いち早く二ケタに載せたオナイウ阿道(横浜)と古橋亨梧(神戸)は外せないし、今季前半戦の横浜F・マリノスの躍進を支えた前田大然もベストイレブン入りに値する。となると、家長は次点ということになってしまう。ここまで8得点の三笘薫にしても同様だろう。

 2位・名古屋からは稲垣祥、吉田豊の両鉄人を選出した。名古屋と言えば「堅守」だが、彼らが主要な担い手になっているのは紛れもない事実。特に稲垣は5得点と攻撃面のキーマンにもなっている。そこは見逃せない点だ。惜しくも6月シリーズを戦った日本代表では選外になったが、この勢いを持続すれば、最終予選での再抜擢もあり得る状態。ぜひとも奮闘を続けてほしい。
 

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