「UEFAは間違えている」デンマーク代表監督、フィンランド戦の試合再開を批判!「コロナなら延期でき、心停止はできないのか」

2021年06月16日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

UEFAが提示した条件は、「試合続行」か「翌12時から再開か」のみ

UEFAの判断に不満を露わにしたデンマーク代表のヒュルマン監督。(C)Getty Images

 何が正解だったのかは、おそらく分からない。確かなのは、デンマーク代表のキャスパー・ヒュルマン監督は、クリスティアン・エリクセンが倒れてからのUEFAの運営は間違えていたと考えているということだ。

 6月12日のデンマークとフィンランドの試合は、前半終了間際にエリクセンが心停止を起こして突然倒れたのを受けて中断。その後、試合は再開され、フィンランドが1-0で勝利した。

 UEFAは「両チームからの要望を受けて再開を決定した」としているが、デンマーク側からは批判の声が上がっている。守護神キャスパー・シュマイケルは、「試合再開か翌日正午の再開かを迫られた」と話した。マーティン・ブライトワイトも、「プレーを望んでいなかった」と明かしている。

 デンマークサッカー界のレジェンドであるシュマイケルの父ピーターらもこの決断を批判しているが、UEFAは「試合と試合の間に48時間が必要だ」と強調。「強制はしておらず、両チームのリクエストがあってから、再開を決定した」としている。

 だが、英衛星放送『Sky Sports』によると、ヒュルマン監督は15日の会見で「新型コロナウイルスなら48時間延期でき、心停止ではできない。これは、わたしは間違っていると思う」と話している。
 
「プレーを続けるのは、正しい決定ではなかった。選手たちは素晴らしい強さを示し、ピッチに出て試合を続けたがね。だが、土曜か日曜、どちらかに試合をして終わらせるかという選択をわれわれや選手たちにさせたのは、正しくなかったと思う」

 ヒュルマン監督は「選手たちにはプレッシャーがかかっていたと思う。ジレンマがあった。非常に難しい状況だったんだ」と続けている。

「本当のリーダーシップを示すのならば、選手たちをバスに乗せ、家に送り返し、それから後で対処すべきだった。良いリーダーシップは、必ずしもプロトコルにあるのではない。共感とともに導くというときもある」

 デンマークは17日にベルギーと対戦する。指揮官は「選手たちが恐れることはないと思う。ただ、こういうトラウマへの普通の反応はあるだろう」と話した。

「当然、キックオフまでは感情的だろう。それからは、最初の笛が鳴るのに向けて準備しなければいけない」

 計り知れない心の負担を抱えたデンマークは、難しいマネジメントを迫られている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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