【数字が語るEURO2020優勝候補の「切り札」イングランド代表編】ケイン、スターリング、ラッシュフォード、あるいは?

2021年06月13日 手嶋真彦

A代表歴6試合の21歳フォデンは、6戦全勝

大会初優勝を目指すイングランド。数字が叩き出したキーマンは?(C)Getty Images

「イングランド、今回はひょっとするかもね」
「高評価の若手タレントが、次から次へと出てきているみたいだし」
 
 例えばマンチェスター・シティでプレーする21歳のアタッカー、フィル・フォデンは今季の公式戦で16ゴール・10アシストを記録した。A代表歴は6試合で6戦全勝だ。

「とはいえ、この国は"あの人"次第なのかもしれません」

 横から割り込んできたのは、もはやお馴染みの数字である(あくまで架空の会話です。肩の力を抜いて最後までお読みいただけますと幸いです)。てか、あの人って、どの人よ? よーし、今回も数字の話に耳を傾けるとするか――。
 


 EURO2020が1年遅れでついに開幕した。それはそうと、なぜ「数字」が口を挟んできたのか、企画の趣旨をかいつまんで説明すると――。

・EURO2020の優勝候補は8か国(と言われている。とりあえずそこは疑わない)。
・ワールドカップやEUROの歴史を紐解くと、意外なヒーローや彗星のごとく出現したラッキーボーイも大会の行方を決定づける切り札となってきた。
・それならば大会をより楽しむために、優勝候補8か国の誰もが知っている切り札(ポルトガルならクリスチアーノ・ロナウド)を踏まえつつ、意外なヒーローやラッキーボーイの候補者たち、すなわち隠れた切り札にもなりえる選手を予想しておこう。
・予想は数字に重きを置く。
・具体的には個人勝率の比較を用いることにする。
・遠い過去まで遡りすぎると最近の実情から離れてしまいかねないので、各国とも直近30試合を分析対象とする。そのうえでEURO2020エントリーメンバー1人ひとりの①出場した試合の勝率、②出場しなかった試合の勝率(不在時勝率)を当該国内で比較する。
・原則的には個人勝率の高い選手、不在時勝率の低い選手の中から、隠れた切り札の候補者を探し出す。
・データの精度を高めるために、親善試合は分析対象の直近30試合からすべて除外する。
・同じ狙いでUEFA加盟国のFIFAランク下位15か国(いわゆる弱小国)との対戦も、分析対象からすべてカットする。
・実際に勝率を比較してみると、意外な発見がいくつもあった(イングランド代表メンバーの個人勝率一覧はこちら詳しい企画趣旨はこちら)。
 

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