「本当に寂しい気持ちでいっぱい」「楽しい思い出しかない」退任会見で溢れ出たポステコグルー監督の“マリノス愛”

2021年06月11日 サッカーダイジェスト編集部

「これからもマリノスの一員として」

ポステコグルー監督が会見で繰り返したのは感謝の気持ちだった。(C)Y.F.M/写真提供:横浜F・マリノス

 J1の横浜F・マリノスは11日、アンジェ・ポステコグルー監督の退任会見を行なった。

 ポステコグルー監督はオーストラリア出身の55歳で、2013年から母国代表を指揮。18年からは横浜を率いて自慢の「アタッキング・フットボール」を浸透させ、19年にクラブを14年ぶりのJ1制覇に導いた。今後はスコットランドのセルティックの指揮を執る予定だ。

 会見の冒頭では、横浜の指揮を執った約3年半の総括として以下のように語った。

「私は日本に来る前、Jリーグやこのクラブのことをよく知っていました。初日からこれまで楽しい思い出しかありません。このチームをどういう風に作り上げていくか、ビジョンを持ってきました。長い年月がかかりましたが、しっかり成功をもたらし、観て楽しいサッカーを作り上げてきました。

 ここで去ってしまうのは、悲しくもあり、本当に寂しい気持ちでいっぱいです。ですが、ここで培ったもの、これからもこのクラブが繫栄していく姿を常に見ていきますし、これからもマリノスの一員としてやっていきたいです」
 
 クラブを離れるにあたって選手たちへは「自分を信じ、このサッカーを信じること。そして仲間を信じ、恐れずやっていくことが大事」だと伝えたという。そして「私が関わった選手がどこにいようが、私はその選手たちを追い続けます」と愛弟子たちへの愛情を述べた。

 なお、詳しい移籍の経緯は「この決断は簡単ではありませんでした。ただ、みなさんにお伝えできるようなことではないと思っています」と明言は避けた。

 そして最後に会見終了時間を過ぎたにもかかわらず、ポステコグルーは自ら日本、そして横浜への愛を口にした。

「私は家族とともに日本に来ました。一番不安だったのは『どういうところか』『どういう人たちなのか』でした。でも本当に温かく迎え入れていただき、幸せな気持ちで過ごせました。もしかしたらまたお会いするかもしれない。みなさまが健康でいてくれることを願っています。本当にありがとうございました」

 "マリノス愛"が溢れ出た退任会見。謙虚でプロフェッショナルで、選手はもちろん、多くのファン・サポーターから愛されたポステコグルー監督の新天地での活躍を期待したい。

構成●サッカーダイジェスト編集部
 
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