「人生のすべてを変えた」元独代表ケディラが、恩師モウリーニョからの“運命の電話”を回顧!「最初は冗談だと…」

2021年06月08日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「ケガをしていた時、毎日電話をくれた」指揮官とは?

モウリーニョ(右)からの連絡でサッカー人生が激変したケディラ(左)。(C)Getty Images

 34歳にして現役引退を決めた元ドイツ代表のサミ・ケディラが、スペイン紙『MARCA』のインタビューで、2010年のレアル・マドリー移籍を振り返った。

 南アフリカ・ワールドカップ(W杯)準決勝でスペインに敗れた後、ケディラは当時マドリーを新たに率いることになったジョゼ・モウリーニョから連絡を受けという。この電話が、彼の人生を変えた。

 マドリーへの移籍が「人生のすべてを変えた。この偉大なクラブでプレーするとは想像もしなかった」というケディラは、当時を「完璧に覚えている」と振り返っている。W杯敗退で落胆する中、代理人からマドリーが獲得を望んでいること、そしてモウリーニョから連絡があると伝えられたそうだ。

 ケディラは「なんて冗談だと思ったよ。そんな気分じゃなかった。だが、代理人は続けたんだ。『モウリーニョから連絡だぞ。マドリーに行くんだぞ』とね」と話した。

「突然、身体全身が変わったように感じた。とても緊張したよ。特に心配だったのが英語だ。当時は話せなかったからね。モウリーニョから連絡があり、メールでやり取りできないか頼んだのさ。彼は笑って応じてくれた。そしてマドリーで自分を必要としている、疑うなと言ってくれたんだ。あの会話は、わたしのキャリアを変えた。モウリーニョはわたしにとって最高の出来事だったんだ」
 
 3年後に去ったモウリーニョの後任は、カルロ・アンチェロッティだった。ケディラは「モウリーニョとはまったく違う」指揮官の下でさらに成長したと振り返る。アンチェロッティは「チームとマドリーをファミリーと考え、全員を気にかけていた」と回想した。

「(負傷により病院で治療中に)練習復帰まで毎日連絡をくれたんだ。来る日も来る日も…まるで父親のようにね。23人の選手がいて、たくさんの問題があり、重圧があって、家族もいるのに…それでも毎日自分と話すために連絡をくれたんだよ。

 ある日、『自分からすると信じられないことです』と感謝した。そうしたら、彼は『サミ、わたしたちはファミリーだ。君は病院でひとり。連絡するのは当たり前じゃないか!みんな一緒にいるぞ』と言ってくれた」

 ジネディーヌ・ジダンが退任したマドリーは、来季からの新監督にアンチェロッティを呼び戻した。ケディラは「良い知らせだ」と、チームにとって適切な決定だと話している。

「タイトルだけじゃなく、当時の自分たちは良い試合、良いサッカーができていたと覚えている。2度目は簡単じゃないが、6年経つし、うまくやれるはずだと確信しているよ。素晴らしいアイディアだと思う」

 人心掌握に長けると言われるアンチェロッティは、マドリーに再び栄光をもたらせるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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