開幕目前の埼玉インターハイ予選を展望! タレント豊富な昌平も盤石とは言えない群雄割拠の壮絶戦へ

2021年06月04日 河野 正

堅守の西武台、サイド攻撃の武南、さらには正智深谷、浦和勢も好調

攻撃の中軸・平原(14番)など、昌平は昨季のレギュラー4人を擁する。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

 全国高校総体(インターハイ)のサッカー埼玉県予選は6月6日、関東高校大会予選のベスト8など49校が参加して開幕する。

 2校あった埼玉の出場枠は2019年度から1校に減り、昨年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で予選、本大会とも中止となっただけに、6月23日の決勝まで白熱した代表権争いが展開されそうだ。大会は原則、無観客での開催となる。

 プリンスリーグ関東に参戦中の昌平が、実力的には優勝に最も近い存在だ。昨年度の全国高校選手権8強のレギュラーが4人残り、10番を背負う荒井悠汰(2年)と平原隆暉(3年)の両MFがパワーアップ。左SBに配置替えした篠田大輝、快足の右SB本間温士(ともに3年)による外からの攻めは迫力満点だ。

 関東大会予選を無失点で制した西武台も力があり、連覇の可能性を秘める。同予選4試合で7得点した市川遥人(3年)をはじめ、スピード豊かな細田優陽(3年)らのFW陣が強力で、CB武笠隼季(3年)が束ねる守備ラインは堅固だ。

 同予選準優勝の武南は、MF水野将人(3年)を起点としたサイド攻撃が得意。堅実な応対をするCB中村優斗(3年)ら、昨年の経験者がチームを引っ張り、埼玉県勢最多となる16度目の優勝を目ざす。
 
 長いボールとセットプレーが武器の浦和西はMF山本海翔(3年)の得点能力が高く、長身DF珍田知輝(3年)を中心に守りもタイトだ。正智深谷はMF大野涼真(3年)の正しい展開の読みから両サイドを鋭く攻め、守っては経験豊富なGK小櫃政儀(3年)の安定感が光る。両校とも関東大会予選4強だ。

 関東大会予選は1回戦で三郷北に足をすくわれた浦和東だが、前原健人と豊田春斗の3年生2トップを軸に多彩な攻撃を仕掛ける。県S1リーグで暫定3位にいる市立浦和は、MF小松悠太(3年)の巧妙なキックと粘り強さが特長。DF坪井優太(3年)ら昨年のレギュラーが5人残る浦和南は、ボールへの寄せが早く持久戦に強い。両チームとも、関東大会予選で西武台と接戦を演じている。

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