キャスパー・ユンカー、ノルウェー時代のプレー&人物像に迫る! 現地記者に訊いたピッチ内外での“最大の武器”とは?

2021年06月03日 鈴木肇

「決定力」「スピード」「知性」3つのキーワードで特長を紐解く

ユンカーは今季途中から浦和に加入し、リーグ戦出場5試合で5得点。そんな大物助っ人のノルウェー時代のプレーと人物像に迫る。(C)SOCCER DIGEST

 キャスパー・ユンカー。間違いなく今シーズンのJリーグを盛り上げている選手のひとりだ。ノルウェー1部リーグ得点王という経歴を引っ提げて浦和レッズに加入した27歳のデンマーク人FWは、これまでリーグ戦出場5試合で5得点をマーク。プレーもさることながら、その端正な顔立ちもあって、あっという間に日本のサッカーファンを虜にした。

 ユンカーについて、すでに複数のメディアや個人SNSによってさまざまな情報が紹介されている。ここでは、ボーデ・グリムト時代のユンカーをよく知る人物に連絡を取り、ユンカーのプレーや人物像に改めて迫ってみたい。

 今回、話を伺ったのは、ノルウェーでスポーツジャーナリストとして活動するフレディ・トレセン氏だ。トレセン氏は、ユンカーが昨季まで所属したボーデ・グリムトの本拠地ボーデの地元紙である「Avisa Nordland」に1996年から勤務し、ボーデ・グリムトのトレーニングや試合を現地で日々チェックするのを主な仕事としている。

 2015年にはクラブの応援番組「Studio Glimt」を開始。ボーデ・グリムトの試合が終わってから2時間後に生放送されるこのストリーミングプログラムは、サポーターの間で人気を博している。ユンカーがボーデ・グリムトに在籍していたときは、本人と頻繁にやり取りをしていたそうだ。
 
 トレセン氏にはまず、ユンカーのプレースタイルについて聞いた。

「一言で表すと、とても賢いセンターフォワード。プレーのあらゆる局面で発揮されるインテリジェンスこそ、彼の最大の長所だと思います。また、左足は正確そのもので、対戦相手にとっては脅威となるでしょう。ストライカーと言えども、得点機を逃すことはあります。ですがユンカーの場合、決定的なチャンスが来れば信じられないような確率でゴールを決めることができるのです。あまり知られていませんが、足の速さも彼の魅力のひとつですね」

 この評価から「決定力」「スピード」「知性」というキーワードを使ってユンカーの特長を改めて紐解いてみたい。

 まず「決定力」。ユンカーはこれまでリーグ戦で5得点をマークしているが、放ったシュート数は10。2本のシュートを打てば1本決めるという計算になる。25試合で27得点をマークしたボーデ・グリムト時代の1試合平均のシュート数は3.1、ゴール数は1.1で75分ごとに1得点を記録した。この数字だけ見ても、いかに決定力が優れているかが分かる。
 

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