「この代表の顔になりたい」松木玖生が“年上ばかり”のU-20日本代表へ招集! 世界を目指す男の強靭なメンタル

2021年06月03日 安藤隆人

「年上の選手とプレーするのは僕としても楽しい」

青森山田・松木が、高体連から唯一U-20日本代表に招集された。写真:安藤隆人

 5月31日から千葉県内で行なわれているU-20日本代表合宿。今年開催されるはずだったU-20ワールドカップはなくなってしまったが、彼らは2024年のパリ・オリンピックという新たなターゲットがある。

 3年後の目標に向けて始動したチームは、横浜F・マリノスで活躍するMF樺山諒乃介、ジェフユナイテッド千葉ですでにゴールを決めているFWブワニカ啓太らプロ選手に加え、明治大のMF田中克幸、早稲田大のMF安斎颯馬ら多くの大学生も招集されている。

 そのなかで青森山田高のエース・MF松木玖生と清水エスパルスユースのFW千葉寛汰の2人の高校生も選ばれている。高体連からの唯一の選手となった松木は、年上ばかりが揃う合宿でも物怖じすることなく、堂々たるプレーを見せている。

「年上の選手とプレーするのは僕としても楽しい」と、強靭な肉体とメンタルを持つ松木は、中学時代から上の世代でプレーすることには慣れていた。青森山田中時代は高校生に混じってプレーをし、高校1年生時にはチームのダブルエースナンバーである7番をつけてプレミアリーグや選手権で大きく躍動をした。そして、最高学年となった今年は、昨年から引き継いだ10番とともに、藤原優大(現・浦和レッズ)からキャプテンマークを継承。名実ともにチームの大黒柱となった。
 
「自分がチームを勝たせる。常にベクトルを自分に向けて、律しながら取り組む。これが大事だと思っています」

 より自覚が増した彼は、現在プレミアリーグEASTで7戦全勝のチームを牽引し、得点ランキングも今回チームメイトとなった千葉と、横浜ユースのFW内野航太郎と並び、7ゴールのトップタイを走っている。

 6連勝を決めた流経大柏戦で3-0の快勝を飾ったあとも、「今日の出来は60点。まだまだできる」と常に自分とチームを律し続ける彼にとって、年上の選手たちに混じってプレーをすることは求めていた刺激でもあった。

「ここに来て、より高いレベルで練習ができている感触はあります。2つ上のカテゴリーですが、僕はこの代表の顔になりたいと思っています。サッカーの世界でカテゴリーは全く関係ないと思っているので、常に上のレベルに行きたいと思っていますし、ここで自分のプレーが出来なかったら将来、到底世界で戦うことは出来ない。ここできちんと目立って、ガツガツと要求をしていったり、年下とか関係なくやっていきたいと思います」

 はっきり口にしたこの言葉は、決して過信やおごりから来るものではない。彼が見えているのはあくまで世界という大海原。より上を目指して毎日を過ごすことが当たり前の彼にとって、年下年上は関係ないし、そこを意識していて目標に到達するわけではないことも理解している。

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