「原口選手のように…」駒大、鳥栖内定のエースが驚異の走力で明大戦10年ぶり白星の立役者に!

2021年06月03日 安藤隆人

爆発的なスプリントと持久力を生かしたチェイシングで明大の脅威に

鳥栖内定の駒澤大のエース、荒木。明治大から10年ぶりの白星を挙げる立役者となった。写真:安藤隆人

 関東大学サッカー1部リーグ7節・駒澤大vs明治大の一戦は、駒澤大が2-0の勝利を挙げ、実に10年ぶりとなるリーグ戦での明治大からの白星を掴み取り、2位に浮上した。

「ずっとリーグ戦で明治を倒したいと思っていたので、心の底から嬉しかったです」

 こう語ったのは、1ゴール・1アシストと大暴れした駒澤大FW荒木駿太だ。5月23日にサガン鳥栖への加入内定が発表された荒木は、内定後初となるこの試合で3-4-2-1の左シャドーに位置し、前半の立ち上がりからエンジン全開のプレーを見せた。

「ターゲットの(1トップの)土信田悠生のセカンドを拾うことと、常に相手の嫌なスペースを狙い続けることを意識した」と、常に周りの状況を把握しながら、左サイドにスペースがあると見るやスッと顔を出し、逆にサイドに蓋をされたと見るや相手のダブルボランチと3バックのギャップに顔を出してボールを引き出す。

 12分には右CKを得ると、得意の右足でゴール前に正確なボールを送り込む。これをMF米谷拓海がドンピシャのヘッドで合わせ、先制弾をもたらした。さらに31分には、相手のパス回しに対し、爆発的なスプリントと持久力を駆使して、3度追いを仕掛け、決定的なシーンを作り出すと、34分には左サイドから高速カットインを仕掛け、右足の強烈なシュートを放つなど、攻守において脅威となっていた。
 
 後半になっても荒木の運動量は一向に落ちなかった。攻勢に出た明治大に対し、動きながらカウンターの糸口を模索すると、57分、左サイドでボールを受けると一気にドリブルでエンドライン付近まで運んでマイナスの折り返し。MF宮嵜龍飛の決定的なシーンを演出するなど、追加点こそならなかったが、攻め手を強めたい明治大の警戒心を強めたことで、守備の負担を軽くさせていた。

 そして84分、ついに荒木が電光石火のアタックを見せつけた。土信田のポストプレーに反応をすると、左サイドから高速ドリブルを仕掛ける。寄せに来たDFに対し、鋭い切り返しで中を向くと、冷静に右足を一閃。待望の追加点をチームにもたらし、完封での歴史的勝利の立役者となった。
 

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