【釜本邦茂】最終予選は圧勝できるほど楽じゃない!鍵は個の力。キーマンは伊東、久保に…

2021年05月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

2次予選の残り2試合は旧ソ連の体格の良い相手。最終予選への試金石になる

釜本氏が最終予選のキーマンに挙げる伊東と久保。さらに三笘のような個で打開できるタイプが必要だという。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー戦は10-0の圧勝だったが、今の情勢を見れば相手にとっては酷な状況下での試合で、欧州でのシーズンを終えたばかりの日本の選手たちとの差がハッキリと出てしまったね。昔はミャンマーもビルマ時代にはアジア制覇をするほどの強さもあったけど、その面影もなくなってしまった。多くが国内の選手で、トレーニングも満足にできずにいたわけだから、この大差も納得がいくものだ。

 日本とすれば、今季は所属クラブで点が取れなかった大迫が5点を奪い、やはりイングランドで消化不良に終わった南野も6試合連続ゴールを含む2得点で、攻撃陣が存在感を見せてくれたのは頼もしかった。もちろん、相手が相手だけに手放しでは称賛できないが、自信を取り戻すきっかけにはなるだろう。

 しかし問題は、次の最終予選だ。相手も格段にフィジカルが強くなってくるし、技術も組織力もそれなりにあるだろう。そうした相手にゴール前を固められたら、こじ開けるのは難しくなってくる。モンゴル戦やミャンマー戦のように、パス、パス、パスで綺麗に崩し切ろうとしても厳しいだろう。

 そうなると、やはり個の力で状況を打開できる選手が必要になる。ロシア・ワールドカップの時の乾のようなイメージで、屈強な選手たちが作るブロックをドリブルで切り崩せる選手がキーマンになりそうだ。
 
 そういう意味では、今回のA代表で言えば伊東純也が突破口を開くカギを握るだろうし、ミャンマー戦では出番がなかったけど、ドリブルが出来て味方も活かせる久保建英、あるいはJリーグで旋風を巻き起こしている三笘薫なども五輪後にA代表に組み込んで効果的に使いたいね。

 今後の2次予選の残り試合は旧ソ連の体格の良い相手だから、最終予選への格好の試金石になる。そうした相手にしっかり守れられた場合にどうするか。攻撃のバリエーションを増やす対策も立てておきたいところだ。

 さらに、日本は2次予選を無失点で切り抜けたが、これも最終予選ではゼロで押し切れるほど甘くはないだろう。とにかく2次予選があまりにも楽な展開ばかりだったから、この先は様々な想定をして、逆境を迎えても対応できる準備をしておくべきだね。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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