【五輪後の日本代表スタメン&序列予測】二番手に田中碧、久保建英、堂安律か。序列トップの可能性もあるのは…

2021年05月28日 西部謙司

A代表の目下の懸案が左サイドバック

西部氏が考える五輪後のA代表のメンバー。

 今年9月にはカタール・ワールドカップ・アジア最終予選が始まる。東京五輪を終えたU-24世代との本格的な融合が進むなかで、A代表に組み込むべき人材は誰か。そしてスタメンの顔ぶれ、各ポジションの序列はどのようになるか。

 五輪後の最終予選を見据え、森保ジャパンの新陣容について、スポーツライターの西部謙司氏に予想してもらった。

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 東京五輪が終われば、五輪世代のA代表への本格的な融合が始まる。

 A代表の序列は3月の韓国戦がベースと考えられる。森保監督が目指すプレーを体現して快勝したメンバーだからだ。

 GKのファーストチョイスは権田修一だった。五輪代表からは大迫敬介、谷晃生が入ってきてポジションを争うが、シュミット・ダニエルや川島永嗣もいるので競争は激しい。GKがビルドアップに加わるのは現代サッカーで必須であり、若い世代のGKは足下のプレーに優れている。ただ、GKにとって足下の上手さが最優先ではない。序列は総合評価で決まる。現状では大迫、谷は四番手以下と考えられる。

 センターバック(CB)はA代表と五輪代表を兼ねる吉田麻也、冨安健洋が鉄板だ。五輪からは板倉滉、中山雄太が融合するだろうが、ここも谷口彰悟、畠中槙之輔、中谷進之介、昌子源、植田直通といった実力者が控えている。すんなり序列の二番手とは考えにくい。ただ、板倉と中山は複数のポジションでプレーできるユーティリティなので、最終的にワールドカップメンバーに入ってくるかもしれない。

 右サイドバック(SB)も五輪代表と兼任の酒井宏樹が手堅いが、急成長した山根視来がいて、室屋成もいる。五輪代表からの融合があれば四番手になるわけだが、1つのポジションに4人も必要ではないので五輪からの融合は実質ないのではないか。
 
 A代表の目下の懸案が左SBだ。長友の後継者を見つけられていない。五輪でこのポジションに入った選手がA代表でもレギュラーとなる可能性はある。韓国戦では佐々木だったが、確定していないポジションになっている。五輪代表では旗手が有力だろう。ただ、川崎では同じポジションに登里がいる。登里はA代表に招集されていないが、川崎でのポジション争いがそのままA代表に直結するのではないか。また、五輪代表には選出されていないが明本考浩も有力だと思う。

 ボランチは遠藤航、守田英正のコンビ。五輪代表から融合するのは田中碧だ。五輪での活躍次第では柴崎岳、橋本拳人を飛び越して序列を上げるかもしれない。

 2列目は伊東純也、鎌田大地、南野拓実が序列のトップ。五輪代表世代には好選手が多く、すでにA代表入りしている堂安律、前田大然、久保建英、相馬勇紀、三好康児のほかにJ1で大活躍の三笘薫がいる。
 

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