「プロ内定はいただいていますが…」横浜内定の筑波大DF角田涼太朗が見据える海外、A代表ともうひとつの夢

2021年05月18日 安藤隆人

希少価値の高い左利きのセンターバック。筑波大の戦術的な要衝に

来季J1横浜内定の筑波大DF、角田涼太朗。希少価値の高い左利きのセンターバックだ。写真:安藤隆人

 来季からの横浜F・マリノス入りが内定し、昨季はすでにリーグデビューも飾った筑波大の4年生・角田涼太朗は今、何を見つめているのか。話を聞くと、そこには筑波大の一員としての誇りと横浜F・マリノスへの想いに溢れた言葉が返ってきた。

「もちろんマリノスの試合はチェックしていて、左利きのセンターバック(CB)として何ができるかをイメージしながら観ていて、早く貢献したいと思っていますが、今は筑波大のために全力を尽くしたいという気持ちが強いです」

 筑波大では3バックの左、4バックの左CBとしてプレー。相手に応じたシステム変更をするチームにおいて、頭脳的なポジショニングとカバーリング、そして高性能かつ多彩な左足のキックを駆使して、戦術的な要衝となっている。

 だが、関東大学リーグ1部では3勝3敗と波に乗り切れず、目指していた天皇杯では茨城県決勝でライバルの流通経済大に敗れ、出場を逃した。筑波大が関東1部リーグを制したのが2017年、インカレは2016年、総理大臣杯に至っては1992年まで遡らないといけない。

 だからこそ、「僕が入ってから一度もタイトルを取っていないので、最後のこの1年にかける思いは強い」と言うのもうなずける。
 
 自らの望みを叶えるためには、当然自分のレベルアップは必要不可欠。「来年のプロ生活スタート時に戦力になっているために、普段から個人の成長に目を向けている」と語るように、大学に入ってからは自らの走りを科学的に分析し、専門知識を学びながら、スプリントの質を磨いた。すると「着実にスピードは増している」と手応えを感じるように、カバーリングのスピードや攻撃参加のスピードも格段に向上した。

 それを証明したのが3月のデンソーカップチャレンジ熊谷大会だ。関東A選抜の一員として決勝戦で左サイドバック(SB)として出場すると、左足のサイドチェンジや縦パス、そしてクロスでチャンスを演出する一方で、スピードに乗ったオーバーラップとインナーラップで何度もゴールに迫るなど、前への推進力の凄まじさを見せつけた。

 そして今季のリーグ戦でも前述したように左CBとして、鋭い出足のインターセプトから果敢な攻撃参加を見せて攻撃に厚みをもたらすなど、攻守への関わりは昨年以上に深くなった印象を受ける。

「CBも左SBも僕にとっては楽しくプレーできるポジションだと思っています。今はCBをやる機会が多いので、駆け引きの多さや責任感の大きさを感じることができて、CBとしてのプレーを楽しんでいます。でもSBをやれと言われたら、すぐに頭を切り替えられる自信はあるし、海外やA代表など将来を視野に入れた時はどちらもできることはプラスに働くと思うので、そこはどちらも高いレベルでこなせるように意識をしています」

次ページ高校時代はJクラブからのオファーを断って進学。将来的には教師になりたい

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事