昨季プロ5名輩出の興國高に驚異の1年生ドリブラーが台頭! 中3時のJ1横浜練習参加で意識変化

2021年05月17日 松尾祐希

興國では1年生ながら10番。U-16代表合宿で藤枝明誠のレギュラー組から1ゴール

1年生ながら興國の10番を背負う宮原は、U-16日本代表にも選ばれている。写真:松尾祐希

 近年、Jリーガーを同学年から複数名の選手を輩出している大阪府の興國高。昨季も5名の選手がJの世界に飛び込み、樺山諒乃介(現・横浜F・マリノス)が今季のJ1開幕戦でルーキーながらスタメン出場を果たした。

 その興國にまたしても面白いタレントが現われた。1年生のMF宮原勇太だ。「U-16代表だけではなく、ひとつ上の代表でもいける」と、興國・内野智章監督が太鼓判を押すアタッカーの武器はドリブル。テクニックとスピードを兼ね備え、変幻自在の仕掛けでチャンスに絡んでいく。RIPACE時代から注目を集め、中学3年生の10月には内野監督の伝手で横浜の練習に参加。フィジカル面では通用しない部分もあったが、ドリブルなどで手応えを掴んだ。また、上のレベルを経験し、意識も大きく変化した。

「マリノスの練習に参加し、取り組み方がかなり変わりました。自分と同じ学年の選手と対戦する時は当たり前にできないといけない。そして、フィジカルで劣っていたので、食事の量を増やして身体のサイズアップを目指すようになりました。元々かなり食べる方だったんですけど、栄養バランスも考えるようになり、当時から今は5kgほど体重が増えました」(宮原)
 
 チームでは1年生ながら10番を託されている。そこまで成長できたのは、中学時代の経験が大きいと言えるだろう。

 そんな宮原が個で勝負するプレースタイルになったのは、父親の影響が大きかったという。

「父が小さい頃からドリブルを教えてくれて、そのおかげで成長できた。近くの公園に行って、マーカーを並べて、タイムを測る練習を毎日やっていたんです。そのタイムに入れないと終われないのですが、それを毎日やっていたら両足を使ったドリブルが上手くなりました」

 父とともに作り上げてきたドリブルはすでに高校年代で通用しており、世代別代表でも指折りのレベルを持つ。

5月10日から行なわれたU-16日本代表候補合宿でも存在感を発揮。12日の藤枝明誠との練習試合(45分×2本/2△2)では4-4-2の左サイドハーフで出場し、単独でサイドを何度も打開した。相手は3年生主体のレギュラー組。チームメイトは年上の相手に対して臆する素振りを見せていたが、宮原は"俺がやってやる"と言わんばかりに貪欲なプレーで攻撃を牽引する。54分には左SB早川隼平(浦和レッズユース/1年)のクロスに合わせ、一度は相手に弾かれながらもゴールに押し込んだ。

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