【U-18プリンスリーグ】選手権を制した北信越の両雄が再戦! 星稜、富山一それぞれの“優勝後”

2015年05月13日 安藤隆人

富山一――主力が多数抜けた昨年は苦戦の連続。今年は経験を積んだ選手たちが巻き返せるか。

星稜に惜敗した富山一だが、昨年プレミアリーグで経験を積んだ選手たちを軸に、今季は巻き返しの兆しを見せている。

 星稜と富山一。ここ2年、高校選手権での優勝によって北信越からふたつのチームが全国にその名を轟かせた。一昨年度の選手権では両チームがファイナリストとして顔を合わせ、高校サッカー史上に残る激戦の末に富山一が初の頂点に立った。そして昨年度の選手権では、前年に涙を呑んだ星稜が決勝で前橋育英を延長戦の末に下し、こちらも初の全国制覇を達成した。
 
 北信越勢による選手権2連覇。当事者たるその両雄の再戦が、公式戦では実に一昨年度の選手権決勝以来となるプリンスリーグ北信越8節の試合で実現した。
 
 試合は攻守がめまぐるしく入れ替わる、白熱した展開となった。6分、まずは星稜が先手を奪う。MF阿部雅志のFKをFW窪田翔がファーサイドからヘッドで折り返し、最後はMF大倉尚勲が頭で押し込んで先制する。
 
 対する富山一も、63分にMF河崎輝太の横パスを受けたMF柴田丈一朗が、鮮やかなミドルシュートを叩き込み、同点に追いつく。そこから両チームがともに決定機を作り出すなか、星稜は87分にMF村中龍仁の折り返しを、窪田がヘッドで叩き込んで勝ち越し。2-1で星稜に軍配が上がった。
 
「去年は苦しい1年だった。優勝した年は3年間積み重ねていったけど、去年は優勝メンバーが西村拓真(仙台)ら3人しかおらず、他のレギュラーはほとんどが1、2年生の状況だった。もっとチームにしなければいけなかったけど、難しかった」
 大塚一郎監督がこう語るように、富山一は昨年、チーム作りが思うように進まず苦戦を強いられた。
 
 インターハイ予選、選手権予選ともに準決勝で敗れ、全国大会に駒を進められず、高円宮杯プレミアリーグも降格の憂き目にあった。だが、ここで鍛えられた1、2年生が、今年の主軸となり、チームは浮上しつつある。
 
「今年は昨年の経験をベースにして、積み上げていく。プリンスリーグではプレミアと違って、こっちが主導権を握っていかないといけないので、より流動的なサッカーを目指している」(大塚監督)
 
 1トップの坂本裕樹、トップ下の河崎、左MFの柴田の技術の高い3人が攻撃の中心で、彼らが織りなす流動的なアタックは高いクオリティを誇る。「課題は守備」と言うように、GK相山竜輝、CB能松大河、ボランチの早川雄貴と核となる選手はいるものの、まだマークやカバーリングにズレがあり、ここをうまく修正できれば、全国でも上位を狙える戦いができそうだ。

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