「クレイジーだった」トゥヘルが師弟関係にあったオーバメヤンの“ルーズさ”を回顧「本気で激怒することは…」

2021年05月12日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「車の音からは、いつも速度を守っていたかは…」

かつてドルトムントで師弟関係にあったトゥヘル(右)とオーバメヤン(左)について、興味深いエピソードが明らかになった。(C)Getty images

 マネジメントの仕方は、1人ひとりの指揮官で異なる。トーマス・トゥヘルは、ピエール=エメリク・オーバメヤンのルーズさを、ある程度受け入れていたようだ。

 トゥヘルが率いるチェルシーは、5月12日のプレミアリーグ第36節でオーバメヤンが所属するアーセナルと対戦する。トゥヘルとオーバメヤンは、ドルトムント時代に師弟関係にあった。

 今季のアーセナルで苦しんでいるガボン代表FWは、3月のトッテナムとのノースロンドンダービーで、ミーティングに遅刻したことを理由に、ミケル・アルテタ監督からメンバー外とされている。

 米スポーツチャンネル『ESPN』によると、ドイツでも時間にルーズだったオーバメヤンのエピソードをドイツ人指揮官が明かした。今回の対戦前に「時間を守ることは、彼の強みじゃないね」と話している。

「時間通りにいてほしかったときは、ミーティングが11時からでも彼には10時45分からと言っていた。そうすれば、彼がほかのみんなと一緒にいる可能性が高かった。

 車で彼が来たと分かるんだ。最後の1キロで必ず(エンジン)音が聞こえた。そして我々は、もうすぐ彼が着くからと映像やら全てを準備したんだ。

 彼が2年に渡って免許証を保てた理由が分からないよ。車の音からは、いつも速度を守っていたか分からないからね。それが彼なんだ。ただ、本気で激怒することはなかった。彼は常に満面の笑みで、心を開き、みんなに言い訳をして、それでOKなんだ。チームにそういう選手が1、2人いるのは受け入れられた」
 
 ただ、トゥヘルは「それが最大の問題ではなかった。同時に彼が本当にトップクラスのプロフェッショナルであることも忘れてはいけない。練習を休んだことや、1分でも早く切り上げたことはなかったと思う。逆だ。着替えたら、準備ができていた。彼とやれたのは良かったよ」とも強調している。

「彼と仕事できたのは嬉しかった。いつも笑顔で、とても、とても正直。少しクレイジーだけど、ナイスなクレイジーだ。今でも時々、誰かが大きな勝利を収めたとき、我々はやり取りしている。ある意味で彼はずっと私の選手さ」

 アルテタの下でプレーするオーバメヤンは、トゥヘルとの再会に何を思うだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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