無敗の相馬アントラーズが2位名古屋と激突。指揮官は「我々のアグレッシブなパワー」の最大出力を重視

2021年05月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

3月の対戦ではホームで0-1の敗戦。借りを返したい

リーグ2位の名古屋が相手となるが、相馬監督に特別な気負いはない。「すべて一戦一戦なので」といつも通りのスタンスで挑む。(C)KASHIMA ANTLERS

 真価が問われる一戦になるのではないか。

 4月中旬に相馬直樹新体制となった鹿島アントラーズは、ここまで公式戦7試合を戦い、いまだ無敗。リーグでは徳島ヴォルティス戦は1-0、ヴィッセル神戸戦は1-1、横浜FC戦は3-0、FC東京戦も3-0。ルヴァンカップでは北海道コンサドーレ札幌戦は3-0、サガン鳥栖戦は2-2、アビスパ福岡戦は1-1。トータルで4勝3分、14得点・4失点。クリーンシートは4試合。複数得点も4試合。上々の戦績と言っていいはずだ。

 盤石の強さを見せる相馬アントラーズは5月12日、前倒しで開催されるJ1第21節、名古屋グランパスと敵地で相まみえる。堅牢な守備と強力な個が織りなすスピーディな攻撃。現在リーグ2位に付ける強敵で、これまで戦ってきた相手とはひとつレベルが違うと見ていいかもしれない。

 そんな名古屋との一戦を前に、しかし相馬監督に特別な気負いはない。奮い立つものがあるのではないかと訊けば、「すべて一戦一戦なので」と応じて、こう続ける。

「この連戦の中で、どうすれば一番、我々が持っている最大の、アグレッシブなパワーを出せるかを考えています。今言われたような、そういう想いみたいなものは正直、特別持っていないですね」

 あくまでも平常心。「そうするべきだと思っていますし、そうできないとまた難しくなってしまうかなと思っています」というスタンスだ。
 
 また、先述したとおり、名古屋は堅牢なディフェンスがストロングポイントだが、ACLのスケジュールの都合上、連戦となった首位川崎フロンターレとの2試合では計7失点を喫している。このふたつの首位攻防戦から、名古屋を相手にいかに得点するかのヒントは何か得ることはできたのだろうか。

 相馬監督は「参考になる部分、こういうシチュエーション、こういう状況を作れたらというのは、感じる部分は当然あります」と話す。だが「そればかりを狙おうとしたら、逆に自分たちの大事なものをなくしてしまうところも出てくるのかなと思うので、そのへんは間違えないようにやりたい」と気を引き締める。

 今の鹿島は、名古屋に負けず劣らず堅実な守備が強みであり、ベースでもある。そのうえで、個々の特性が生かされた攻撃で相手ゴールをこじ開ける。そうした"大事なもの"に軸足を置いて決戦に挑む。前体制下での3月の対戦では、ホームで0-1の敗戦。その時の借りを返す意味でも、今度はしっかりと勝点3を手に入れたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

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