日本と同組の仏五輪代表監督、選手の一次リストを提出! エムバペとともに、35歳の熟練FWがOA枠候補に【現地発】

2021年05月12日 結城麻里

ベテランのリスト入りに現地も衝撃

マルセイユに所属していたこともある、35歳のジニャック。OA枠の有力候補に躍り出た。 (C)Getty Images

 東京オリンピックで日本と同組になったフランスに、強力な助っ人出現の可能性が浮上してきた。

 フランス中をあっと言わせたのは、『Canal+』のリーグアン中継でピッチ担当を務める親日家の元選手ローラン・パガネリだ。9日におこなわれたサンテティエンヌ対マルセイユ戦の真っ最中に、「デデが東京オリンピックに出場するかもしれないよ」とコメントしたため、驚いた解説者が思わず聞き直した。これに対してパガネリは、「ちゃんとしたニュースさ」と返答した。

 これを受け、権威あるスポーツ専門全国紙『L’EQUIPE』は翌10日、独自取材のうえでこの事実をコンファーム。それによるとエスポワール代表(U-21フランス代表=五輪代表に相当)のシルヴァン・リポル監督は、「CNOSF」の略称で知られるフランスのオリンピック・スポーツ全国委員会に、五輪の「プレリスト(事前リスト)」と呼ばれる80人規模のリストを提出したという。

 これはあくまで「可能性のある選手」のリストで、候補者を絞り込む前段階の状態ではあるが、そこにはフランス代表FFWキリアン・エムバペら若手の名前とともに、間違いなく「デデ」ことアンドレ=ピエール・ジニャック、35歳の名が入っていたという。

 かつてマルセイユで活躍した後、メキシコのUANLティグレスに移籍したジニャックは、強靭なメンタルとゴールセンスでクラブを牽引。2020年の南米チャンピオンズリーグでも、大会得点王と大会MVPに輝いたばかりだ。
 
 しかも、シルヴァン・リポル監督とは固い絆で結ばれてもいる。

 実は彼、トゥールーズやマルセイユで活躍する前にフランスのロリアンでプレーしていた時代がある。当時の監督が他ならぬリポル監督だった。いわば若き日の恩師であるリポル監督も、ジニャックについては良い思い出を抱いており、オーバーエイジ枠で若い選手たちの中に入ってもやっていけるばかりか、まとめ役になれるかもしれないと見ているようだ。

 加えてジニャックの場合、A代表とのスケジュール競合も起こらない。

 最後にディディエ・デシャン監督に招集されたのは、2016年10月10日のオランダ戦(1-0で勝利)。そこまでA代表で36試合出場・7ゴールを刻んだが、以後は招集されておらず、現在の豊富な前線から見て、ジニャックがEURO2021(6月11日~7月11日)のA代表メンバーに入ることは、まずないと見られる。
 

次ページ3月には代表への熱い思いを明かしたばかり

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