【U-18プレミアリーグ】互いに最大のライバルと認める市船と流経。今年最初の戦いを振り返る――

2015年05月12日 平野貴也

市立船橋――昨年の主力が多数残り開幕から安定した戦い。先制されるも個の力で逆転に成功。

市立船橋の工藤が最大のライバルを相手に躍動。2得点を挙げ勝利に大きく貢献した。写真:平野貴也

 5月10日の高円宮杯U-18プレミアリーグ6節では、EASTで注目の一戦が行なわれた。互いに最大のライバルと認め合う千葉のふたつの強豪、市立船橋と流経大柏の激突だ。試合は市立船橋の逆転勝利となったが、両チームが再戦に向けて、手応えを得る一戦となった。
 
 まず、ホームの市立船橋は、きっちりと先勝したことで積み上げてきたものに自信を得られた。チームは、この試合を前にして3勝2分けで2位。DF白井達也、杉岡大暉、古屋誠志郎、MF椎橋慧也、FW永藤歩、高宇洋と昨年の主力がズラリと残っているだけに、開幕から安定した戦いを見せているのも頷ける。
 
 前半はリスクを負わずにロングパスで敵陣に押し込む展開となり、「ゲームプランをぶち壊された。もう少しつなぎたかったけど、蹴り合いになった。でも、この展開はあり得ると監督から言われていた」(MF工藤友暉)と相手に付き合う形となった。
 
 後半はやや攻撃が停滞した時間帯で先制を許したが、工藤が終盤に直接FKと自ら得たPKの2得点で試合をひっくり返す役者ぶりを見せつけて逆転に成功。テクニックとポジショニングを武器とするFW高を活かせない展開では、快足FWの永藤のカウンター以外に手がないかと思われたが、個で駆け引きの巧みさを見せた工藤の活躍が大きかった。
 
 ただし、内容面では課題も残った。今後は互いに手の内を知られていくだけに、個の力で逆転するのはより困難になっていくからだ。
 
 朝岡隆蔵監督は「押し込んだ後のクオリティは少し低かったけど、ファーストブレイクやダイレクトプレーは狙い通りにできた。相手のパワーを削ぎながら、全体として試合を進められた。もう少し落ち着かせられれば……という思いもあったけど、やりたいことができる(試合)とは思っていないし、チャンスは作れていたので良いかなと思った」と及第点を与えた。
 
 しかし、その一方で「今の結果は、危険。(現状の力関係では)厳しい試合を耐える力はあるけど、(今後の勝負どころを物にできる)本物の力があるわけではない」と指摘。勝って兜の緒を締めるといった雰囲気だった。

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