昨季プロ4名を輩出した昌平、衝撃の強さ!! 昨冬の選手権4強相手に圧巻の6発大勝! 今年のチームの特徴は?

2021年05月10日 安藤隆人

矢板中央に6-1と大差で勝利。インパクト十分の強さ

プリンスリーグ関東6節、昌平が矢板中央を6-1と圧倒。キャプテンの篠田大がゴールに歓喜する。写真:安藤隆人

「やはり今年も昌平は強い」

 そう思わせる戦いぶりだった。須藤直輝、小川優介(共に鹿島アントラーズ)、小見洋太(アルビレックス新潟)、柴圭汰(福島ユナイテッド)と4人のJリーガーを輩出した昨年のチームでも多くの1、2年生がすでに頭角を現わしていた。その筆頭が1年生ながらガッチリとレギュラーを獲得していたMF荒井悠汰、同じく1年生でスーパーサブ的な存在となっていた篠田翼、2年生だった右サイドバックの本間温土、パスとシュートセンスに溢れたMF平原隆暉、MF篠田大輝と高い能力を持った選手が揃っており、今年のチームも十分に力があることは分かっていた。

 分かってはいたが、それを持ってしても、その上をいくインパクトを与えた。プリンスリーグ関東6節、ホームで昨年度の選手権で2年連続ベスト4に入った矢板中央を相手に、終わってみれば6ゴールを叩き込んで、6-1の大勝を手にした。矢板中央も昨年は2年生が多いチームだった。1年時から絶対的守護神として君臨するGK藤井陽登、189センチの大型CB島﨑勝也、ボランチの大畑凛生、技巧派アタッカー・星景虎とタレントはいる。
 
 現にプリンス関東において、初戦の前橋育英戦こそ1-7で大敗を喫したが、それ以降は鹿島アントラーズユース、三菱養和SCユース、山梨学院、桐生一を相手に2勝2分けと負けなし。この試合でも立ち上がりは矢板中央が攻勢に出た。積極的に縦パスを打ち込んで、星を中心にアタッキングサードでパスを繋いで、大胆かつ繊細に崩していくサッカーを展開したが、30分に昌平の本間がゴール前の混戦から先制弾を蹴り込むと、一気に潮目が変わった。

 41分に新10番の荒井のパスを受けた平原が倒されてPKを獲得。これをキャプテンでFWから左サイドバックにコンバートされた篠田大が冷静に決めて追加点。後半になってさらに攻め手を強める昌平は55分、鮮やかな崩しから完全に抜け出した本間のシュートはGK藤井にセーブされるが、こぼれ球を再び本間がヘッドで押し込んで3点目。59分には右サイドを破った本間のマイナスの折り返しを、平原が頭脳的な浮き球のクロスをダイレクトで入れ、中央に走り込んだ1年生FW小田晄平がダイレクトボレーを叩き込み、勝負を決定づける4点目を奪った。

 71分にも平原が加点してリードを広げると、「いいか、これはリーグ戦だぞ! 1点取る、しっかり守ることが大事なんだ!」という高橋健二監督の檄を受けた矢板中央が85分に島﨑が1点を返す。だが、89分に途中出場のMF小山田直人がダメ押しの6点目。これで昌平のゴールラッシュは幕を閉じた。
 

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