【FC東京】浦和撃破に必要な“3本目の矢”を担うのは復調の気配漂わす前田か?

2015年05月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「とりあえず無失点に抑える」を逆にやられた鹿島戦。

鹿島のCBコンビと2ボランチで築かれた強固なブロックに苦しんだFC東京。“したたか返し”をされて連勝が止まった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 勝てばファーストステージ優勝の芽がグッと膨らみそうだった5月10日の鹿島戦は、ホームで0-1の敗戦に終わった。強固な守備をベースに少ないチャンスをモノにしてきたFC東京が、今節は"したたか返し"をされた格好だ。
 
 前節まで黒星先行の低迷ぶりが嘘のように、この日の鹿島は試合巧者ぶりを発揮。昌子とファン・ソッコのCBコンビに、柴崎と小笠原の2ボランチが加わった守備ブロックを中心に武藤の自由を奪い、さらに太田のセットプレーを幾度となく弾き返した。
 
 押し込まれる展開が続いた最終盤も鹿島は集中を切らさず、土居が34分に決めた虎の子の1点を守り抜いた。殊勲者の昌子は「崩された場面もいくつかあってまだまだですが、とりあえず無失点に抑えられたことが嬉しいです」と試合後に話していた。
 
 FC東京にとっては、今季の合言葉「とりあえず無失点に抑える」を逆にやられた感があり、フラストレーションの残る一戦になったことだろう。4月25日の山形戦(7節)からリーグ4連勝と波に乗っていただけに、"天敵"の鹿島を叩いてより士気を高めたかった。
 
 太田は言う。「今日勝っていれば(ゴールデンウィークの)連戦を最高の形で終われましたが……。結果だけにこだわって戦っていたので残念です」
 
 ただ、幸いにも同日には首位の浦和が仙台と引き分けた。広島を下したG大阪に勝点1差に迫られたものの、ファーストステージ優勝の可能性は十分にある。
 
J1順位表(11節終了現在。上位4チームのみ)
順位 チーム名 勝点 消化試合
1  浦和   24  10
2  FC東京  23  11
3  G大阪  22  10
4  広島   22  11
※浦和とG大阪はACLの関係で1試合少ない。

次ページ遅れてきた実力者がチームに再び勢いをもたらせるか。

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