【韓国メディアの視点】鹿島のACL敗退に、「気構えと覚悟の欠如」を指摘する韓国人記者

2015年05月07日 慎武宏

「警戒すべきことを分かっていたはずなのに、同じ失敗を繰り返すのが不思議に映った」(ホン・ジェミン記者)。

FCソウルに競り負け、ACL敗退が決まった鹿島。ホン・ジェミン記者は内容を評価しながらも、同じ失敗を繰り返すのが不思議だとも指摘する。(写真:サッカーダイジェスト)

「鹿島サポーターの反応には驚いた。FCソウルの選手たちを拍手で送り、逆に鹿島の選手にはブーイングを浴びせていたからね。正直、韓国人記者としては悪くない気分だったが、ちょっぴり複雑な気持ちにもなった。鹿島サポーターの苛立ちが伝わってくるようだった」
 
 そう語るのは韓国のサッカー専門誌『FourFourTwo KOREA』のデスクで、5月5日に行なわれたACLグループステージ最終節、鹿島対FCソウルの取材で来日したホン・ジェミン記者だ。
 
「FCソウル、劇的勝利で16強進出!!」
「ピリっとした"ソウル劇場"」
など、韓国メディアは3対2で逆転勝利を収めたFCソウルの勝利を高く評価しているが、ホン・ジェミン記者は、鹿島の健闘も称える。
 
「ソウルでの試合に比べると鹿島は躍動感があり、選手たちの動きの質も高かった。特に柴崎岳は、前回対戦時でこれといって目立たなかったが、テクニカルで視野も広く、ボールの配球も良かった。"次世代の遠藤保仁"と呼ばれる理由が分かった。また、個人的には遠藤康も大きな発見だ。スペースに飛び出すタイミングや突破力が光り、キックの精度も高い。内容も決して悪くなく、ポストに直撃したFKが決まっていれば鹿島の一方的なペースになっていた可能性もあった」
 
 ただし、こうも指摘する。
「ただ、内容が良くても勝てないのがJリーグ勢だ。鹿島は相手のスタイルや警戒すべきことを分かっていたはずなのに、同じ失敗を繰り返すのが不思議に映ったほどだった」
 
 象徴的なのが、鹿島が喫したセットプレーからの2失点だという。
「(セットプレーから失点した)前回対戦時での反省から、トニーニョ・セレーゾ監督はセットプレーへの警戒を強めていたが、今回も同じ失敗を繰り返した。2失点もしてしまったのだから、自らの失敗を見つめ直すべきだろう」

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