西大伍が痛快ボレーで改めて示した凄み…指揮官も称賛「彼は本当に我々にとって」

2021年04月25日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

類稀な戦術眼やセンスがある西だからこそできる芸当

大分戦で鮮烈な先制ゴールを奪う。その攻撃センスを見せつけた。(C)SOCCER DIGEST

[J1第11節]浦和3-2大分/4月25日/埼玉

 開始わずか3分だった。ゴール前にスルスルと駆け上がっていくと、山中亮輔からのフワリと上げられたクロスに合わせて右足を一閃。叩きつけるような痛快なボレーシュートでネットを揺らした。

 3-2で逆転勝利した大分トリニータ戦で先制点を奪ったのは、西大伍だった。

 今季浦和レッズに加入して初めてのゴールは、電光石火の一撃だった。西本人でさえ「まだちょっと時間が早すぎたし、あっさりすぎたのでちょっと、あまり……(笑)」と振り返るほどだ。

 このシュートをはじめ、西の神出鬼没の動きやテクニックは浦和の大きな武器になっている。本来は右SBだが、攻撃時にはボランチのようなポジションを取り、攻撃に彩りを加えているのだ。

「最初のほうは、より中にいてプレーしていた。そのあとは、ちょっと全体的な動きを出したかったので、ポジションを変えながら外に行ったり、中に行ったり、動こうかなと思っていました」

 こうしたチームの攻撃をコントロールする動きは、類稀な戦術眼やセンスがある西だからこそできる芸当でもある。
 
 西の能力に、リカルド・ロドリゲス監督も称賛を惜しまない。

「彼は本当に我々にとって、チームを上手く回すのに必要な存在。回すというのは、ボールの動かし方だったりビルドアップですね。それに使いたいスペースを読む力もあるし、ゴールのシーンもそうですけどクロスに入っていく力もある。彼のなによりの特徴は、プレーの流れ、先を読む力。そういったところがチームの良い方向に働いているのかなと」

 もっとも西自身は「あの点くらいであまり良い場面はなかった」と反省を述べている。その閃きで見ている者をワクワクさせてくれるSBは、次はどんなプレーを見せてくれるだろうか。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
 
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