浦和、20年度の純損失は過去最大6億1200万円で2度目の赤字に。一方で昨年比15億円以上のコストカットも

2021年04月23日 サッカーダイジェスト編集部

入場料収入は昨年から18億7700万円減

20年度の純損失は6億円以上。過去最大となった。(C)SOCCER DIGEST

 浦和レッズは4月23日、2020年度の経営情報を開示。これに伴い立花洋一代表取締役社長は同日、オンラインで複数メディアの取材に応じ、クラブの経営状況について語った。

 新型コロナウイルスの影響は甚大で、当期純損失は過去最大の6億1200万円にのぼる。赤字は2010年度以来2度目。立花社長が昨年6月時点に「20億円の減収、10億円前後の赤字となる可能性がある」としていた予想よりも損失は抑えられたとはいえ、「未曽有の危機的状況には変わりない」(立花社長)。

 広告料収入は37億5000万円と昨年から9000万円の減収に抑えた一方で、とりわけダメージを受けたのは、やはり入場料収入。無観客やスタジアム収容人数の制限により、19年度から18億7700万円減の4億2300万円まで大幅に減少した。

 一方で営業費用の削減にクラブの努力も表われている。観客が制限されたことで試合の運営費などが掛からなかった部分も当然あるが、事業運営費やチーム運営費などトータルで15億円以上のコストカットに成功した。

 今季も変わらず苦境が続き、さらなる経済策が必要になってくる状況だが、立花社長は各方面に感謝の意を示す。

「感謝申し上げたいのは、クラウドファンディングであったり、シーズンチケットの寄付などクラブのためにみなさんにご協力いただいた。昨年はお店を出せなかったが、EC(インターネット通販)でたくさんの協力を頂いた。そして大きなパートナーの収入は、必ずしても我々が満足いくようなお手伝いはできなかったと思いますけども、クラブのメンバー一人ひとりが、コロナで世の中が動いていないなかで、パートナーの方たちとの絆を強くできた。その結果として20億円くらいの赤字がおかしくないところを、ここまで挽回できたのかなと。本当にありがとうございました」

 また「こういう時だからこそ"ピンチをチャンスに変えて"強靭なクラブ体質に変えてまいりたいと思います」と今後に向けて語った。

構成●サッカーダイジェスト編集部
 
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