「信じがたい進歩を遂げた選手が…」東京五輪で対戦するフランス、指揮官の日本代表への評価は? エムバペの参戦は?【現地発】

2021年04月23日 結城麻里

リポル監督は「非常に興味深い」とコメント

エムバペ参戦の可能性はゼロではないようだが…。(C)Getty Images

 東京オリンピックで日本と同グループに入ったフランスでは、各種サイトが一斉に事実報道だけを打ったものの、一般のテレビニュースでは紹介もされず。全国紙『L’EQUIPE』22日付も「Expresso」という短信欄で小さく報道したのみ。全体としては、五輪はまだまだ遠い感覚だ。

 ただ、当事者であるシルヴァン・リポル監督のコメントは、現地メディアの配信をもとにそれぞれの味つけで伝えている。

 このうち保守系全国紙『LE FIGARO』のサイトである『Le Figaro.fr』は、「最初の印象は、厳しいグループに入ったが恐ろしく興味深い、という感覚だ」というリポル監督の一節を中見出しに掲げて強調。そのうえで同サイトは、コメントを全面的に紹介している。

 それによると、リポル監督は「メキシコは非常に巨大な障壁だ。オリンピック常連国であり、2012年にはネイマールとチアゴ・シウバを擁するブラジルにも勝利した。彼らには"グリンタ"があり、天然の才能も備わっている」と強調した。

 次いで日本に言及し、「日本人選手たちは自国で戦える。信じがたい進歩を遂げた選手たちがいる」とコメント。また南アフリカについては、「アフリカ諸国というのは、この大会のいざという試合でしばしば存在感を示し、皆に問題をつきつけるものだ」と分析した。
 
 同サイトはまた、フランスが東京、埼玉、神奈川(横浜)という首都圏内で3試合をこなせる日程を紹介し、移動に疲弊しないという「小さな利点を得た」と指摘。リポル監督も、「東京を拠点にできることで、他のグループに入るより移動が少なくて済む。とくにイベントの中心部にいられるというのは、素晴らしいことだと思う」と語った。

 一方、パリの地方紙『Le Parisien』の同名サイトは、ほぼ同じ報道をしながらキリアン・エムバペについて言及。「フランス・フットボール連盟(FFF)はまだ公式に彼を排除していないものの、フル代表にも定着しているキリアン・エムバペがオリンピックに参加するというのは、幻想のように見える」と分析。

 そして、同サイトは金メダル候補は、久しぶりの登場ながらメダルを狙うフランスのほかに、ブラジル、エジプト、メキシコの名を挙げた。そのほかも今のところ、メキシコに警戒する論調が目立っている。

取材・文●結城麻里
text by Marie YUUKI
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