【バイタルエリアの仕事人】Vol.4 江坂 任|日韓戦で待望の代表デビュー!「本能的にプレーしていた」アタッカーに訪れたプロ入り後の転機

2021年04月22日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

「推進力を活かしたプレーは韓国戦でもしっかり出せた」

3月の韓国戦でA代表デビューを飾った江坂。CKから遠藤のゴールを演出したアシストもマークした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 サッカーにおける攻守の重要局面となる「バイタルエリア」。ゴールや失点に直結する"勝負の肝"となるスペースをいかに攻略するか、死守するかは、多くのチームにとって不偏のテーマだろう。そんな「バイタルエリア」で輝きを放つ選手たちのサッカー観に迫る新連載のインタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第4回は柏レイソルの10番を背負い、先の日韓戦ではA代表初出場も果たした江坂任だ。

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 いまや押しも押されもせぬ柏の司令塔は、バイタルエリアを「自分にとっての生命線」と言い切る。自らが輝くために必要な場所であり、そこで躍動することこそがチームを勝たせるための近道でもあるのだという。国内屈指のアタッカーとして進境著しい28歳。まずは、デビュー戦で初アシストも決めてみせた日本代表での時間について聞いてみた。

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 日本代表では、通用する部分と「まだまだだな」と思う部分の両方がありましたが、特に「まだまだ」という点を感じられ、それを明確にできたのが大きかったですね。そこは成長につながる刺激になりました。今はまだ詳しくは言えないんですが、代表の基準という面で、まだ攻守において足りないところがハッキリしたのかなと。その基準を上げていく必要性を感じました。

 逆に通用した点で言えば、(相手DFの)間でボールを受ける、あるいは前への推進力を活かしたゴールへ向かっていくプレーは、韓国戦でもしっかり出せたと思います。初ゴールはチームメイト(キム・スンギュ)に止められて惜しくも奪えませんでしたが、古橋選手に出した2本のスルーパスなど、自分の持ち味を出せた部分もありましたね。

 同じバイタルエリアを主戦場とする選手の中では、鎌田選手は「本当にいいところにいるな」と感じましたし、大迫選手はボールの受け方、あるいはバイタルの使い方が上手い。よく大迫選手は、背負った時の強さを取り上げられますけど、背負えるだけじゃなくて、DFの間で受けることもできる。だから、ボールを失わない。そこはすごく勉強になったというか、シンプルに凄いなと感じました。

 敵の間で受けるために、一番大切になるのは認知能力ですね。相手との距離間、周りの味方との距離間、相手や味方がどんな状況でいるのか、どこにスペースが空いているのか。そういう部分を認知することが重要で、代表選手はもちろん技術も高いんですが、こういう細かな点でのレベルの高さが違いになって現われてくるのだと感じます。

 それから、レベルの高さを感じたという点で言うと、ハイレベルになればなるほどボランチやセンターバックの選手が、よく自分のことを見てくれているのを感じました。同年代の遠藤航選手や、大学時代の後輩の守田選手がいいタイミングで縦パスを入れてくれたので、そこは受けやすさもありましたし、しっかり見えているんだなと。

 やはり代表選手は、一つひとつのプレーのクオリティが高い。試合はもちろん、練習の中でもそれは感じたし、もう一度あの場所でプレーしたいなという想いは強くなりました。韓国戦もやっていて楽しかったので、またああいうトッププレーヤーの中で、自分もプレーしたいですね。
 

次ページJ1で感じたセンターバックの圧倒的なフィジカル。真っ向勝負ではなく…

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