「害をなす考え方だ」奇才ビエルサが“欧州スーパーリーグ構想”を痛烈に皮肉る!「他のチームを忘れている」

2021年04月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

「フットボールはビジネスだけじゃない」

リバプール戦でにらみをきかせるビエルサ。ESL構想を痛烈に批判した。(C)Getty Images

 現地時間4月19日、プレミアリーグ第32節が行なわれ、リーズ・ユナイテッドはホームにリバプールを迎えた。リーズは31分にサディオ・マネに先制を許したものの、87分にディアゴ・ジョレンテのゴールで追いつき、1-1のドローで終えている。

 この日、試合前のウォーミングアップ時にリーズの選手たちは、「earn it(報酬は努力に対するもの)」「football is for the fans(フットボールはファンのためのもの)」とプリントされたTシャツを着用した。

 現地メディアによれば、"欧州スーパーリーグ(ESL)構想"に賛同しているリバプールのロッカールームにも同じTシャツを差し入れたようだが、リバプールの選手たちが身に付けることはなかった。

 ESLは、欧州のメガクラブ、アーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、インテル、ミラン、ユベントス、レアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリーの計12クラブが参戦を表明。さらに、3クラブが加わり、CLに代わるとされる新たなリーグの構想だ。これに対して、各所からは多くの非難の声が上がっている。

 試合後、リーズ指揮官の奇才マルセロ・ビエルサもESLの意義について言及。「ビッグクラブは自分たちのためだけに特権を得て、他のことは忘れてしまったようだ」と痛烈に皮肉った。
 
「もちろんフットボールに害を及ぼす考え方だ。彼らは自分たちの利益のために特権を得て、他のチームのことは忘れている。確かに、他のチームよりも重要なチームはあるが、そうではないチームと、互いに必要な存在であることを意識すべきだ」

 一方で、「フットボールは常に商業的な見方をされてきた」ともコメントしている。

「ビジネスの世界では、経済的な側面を見て、利益を優遇するようなシステムを支持することは当たり前だといえる。だが、フットボールはビジネスだけじゃない。オーナーがいたとしても、フットボールは皆のものだ。彼らがいなければフットボールは消えてしまう。ファンを攻撃し、一部を優遇するような決定は未来を賭けることになる」

 ビエルサ以外にも、リバプールのサポーターや多くのOBも非難の声をあげている今回のESL構想。果たして「ファンのもの」であるフットボールを軽視しているのは誰なのか。今後の動向が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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