意地を見せた仙台の同点劇! 指揮官が試合後に飛ばした檄とは「勝点1で良いと思うようじゃ駄目」

2021年04月17日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「2失点目がやっぱりもったいなかった」

敵地で勝点1を手にした仙台の手倉森監督が試合を振り返った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ10節]横浜FC2-2仙台/4月17日(土)/ニッパツ三ツ沢球技場

 ベガルタ仙台が土壇場の同点ゴールで2点差を追いつき、敵地で貴重な勝点1を得た。

 お互いに今季いまだ勝利なしという厳しい状況に立たされている2チームの戦いだけあって、白熱したゲームが予想されたなか、まさにその通りの死闘が繰り広げられた。

 仙台は序盤の17分に失点。しかしそこからは、ビハインドを取り返すべく前線から激しくプレスをかけて高い位置でボールを奪取し、好機を作るなど徐々に押し込む展開を作っていった。

 仙台の手倉森誠監督は、ここまでの流れについて、「前半は相手の背後を取りたいと思ったとき風をうまく利用できずに、逆に相手にセットプレーから点を取られてしまった。仕掛けの部分でもっと相手の間に入り込んで、仕掛けられればよかった」と課題を指摘。不安定な立ち上がりに反省の弁を述べた。

 後半に入って攻勢を強めた仙台だったが、なかなかシュートで終わることができず、逆に68分に2失点目を喫した。

「後半はやれるようになったが、ただ攻勢を強めた後の2失点目がやっぱりもったいなかったと。あの2失点目に関しては、守備力というよりも(攻撃の)仕掛けの部分でもっと大胆に、もっとボール保持者が自分でプレーするということを実行できていれば起こり得なかった失点だった」(手倉森監督)
 
 それでも、82分に西村拓真がCKに頭で合わせて1点を返すと、終了間際の90+1分には、ふたたびCKの混戦から、ゴール前でこぼれ球を拾った吉野恭平が押し込み、値千金の同点弾を奪った。

 最後まで戦う姿勢を貫き、諦めなかった選手たちの気持ちの強さが、まさに結果に表われたゲームとなったが、試合後のロッカールームで指揮官は、「良くやったと」選手たちを褒めつつも、一方で檄を飛ばしたことも明かした。

「ただ、こういう展開を招いたのも自分たちだという話もしました。今日のようなゲームで勝点1で良かったと思うようじゃ駄目だという話もした。やっぱり悔しい、もったいないと。もう少しゲーム運びを賢くやらなければいけなかった」

 厳しいゲーム展開のなかでの勝点1獲得は評価できるが、いまだ今季勝利なしという状況は変わらない。「一番下で競い合っている者同士が最後まで意地を見せ合った試合展開だった。仙台と横浜FCがこの苦境から這い上がっていくことで、Jリーグにもっと激しい順位争いを起こしたい」と手倉森監督はここからの巻き返しを誓った。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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