【三浦泰年の情熱地泰】松山英樹のマスターズ制覇を喜ぶ一方で、サッカー界の現状に抱く危機感

2021年04月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

わずか5、6年でゴルフを辞めた僕が言うのも何だけど…

日本人選手として初めてマスターズ制覇を達成した松山。世界に衝撃を与える勝利となった。(C) Getty Images

 4月12日の日本のスポーツ界において、話題は彼しかいないと言っても過言ではない。僕が語って良いものなのか、少しお恥ずかしいが、日本ゴルフ界で快挙が生まれた。

 松山英樹選手がマスターズ優勝。日本だけではなく、アジアでも初という凄い偉業を成し遂げたのである。

 ゴルフに詳しい僕ではないが、夜中3時40分に目覚ましを掛けて、首位で最終日を迎えた彼のプレーを見るのは、僕にとっても偉業であり、滅多にないこと。レアル・マドリーvsバルサのナショナルダービーならまだしも、ゴルフのために夜中に目覚ましで起きて、朝まで視聴するとは……。

 実は、前日までさほど興味はなかった。どのようなプレーをしていたのかを見た訳でもなく、過去に彼を過剰に応援していた訳でもない。誰もが知るレベルの応援で、「ゴルフと言えば世界に通用するのは松山」という程度の知識だから、コラムではただ純粋に「凄い!おめでとう!ありがとう」と伝えたい。

 前日にスーパーなパフォーマンスで首位に立ったという松山選手を一眼、生で確認しようとベッドの上から覗き込んだ。

 サッカーに例えれば日本がワールドカップ優勝。まだアフリカも北米、もちろんアジアもワールドカップ優勝国になった事はない。

「松山英樹」という男がゴルフ界の歴史をこじ開ける。

 この瞬間をゴルフファン、ゴルフ好きであれば逃すわけにはいかないが、僕も周りに便乗してその瞬間を見させてもらった。現役時代はゴルフには縁もなく、やるとしたら海外へ行ってクラブの持ち方も知らないのにコースへ出る。 

 そんなゴルフというスポーツに失礼な出会いから初めてしっかりやろうと思ったのは2005年頃だっただろうか?

 引退して数年後に知人から「これからの人生、ゴルフをやった方が良いよ」と言われて始めた。それは人脈や知らない世界、サッカーとは違う心、メンタルを知れる。

 そんな事を勧められてゴルフに夢中になったのは数年だけ。ゴルフは「Jリーグの監督」になったら辞める。と始めた事もあり、2011年から今日までの10年間、ゴルフは、コースはもちろんクラブも持っていない。

 そんな僕も松山英樹選手のマスターズ優勝は本当に嬉しい。

 ゴルフ歴、わずか5、6年でゴルフを辞めた僕が言うのも何だけど、こんな難しいスポーツはない。

 止まってるボールなのに……。サッカーは動いているボールだけど、ゴルフは止まってるでしょ……。と言われてもそのボールを上手く打てない。

 接触プレーもなく、誰も邪魔しないのだから、と言われても、逆に邪魔してくれたほうが上手く打てるのでないか? と思うくらい、真っ直ぐイメージ通り打てる回数が少ない。

 道具が良ければ上手く打てる。サッカーも同じだが、スパイクを新しいスパイクに変えても、ボールが変わっても上手くなる訳ではない。

「ゴルフは道具」というのはある程度上手い人が言ってる事、下手な人は下手。

 ゴルフのコーチが「力を抜いて打て」と教えてくれても、基本がしっかりできていなければ上手くは打てない。サッカーでも基本ができていなければ、同じように力を抜いてシュートを打ってもキーパーに全部、取られてしまう。

 強く打ててコントロールをつけられて、いろんな種類のキックができるから力を抜いたキックができるのであり、ゴルフも同じでしっかり打てない僕が力を抜いて打ったら、ボールではなくてクラブが遠くへ飛んで行ってしまう。これが僕の短く終わったゴルフ人生であった。
 

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