「カメラの視界を遮られた」WBA戦で起こった疑惑の判定に審判側が釈明。アラダイス監督は「失望した」

2021年04月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

オフサイドポジションにいるのは別の選手だったにもかかわらず…

オフサイドポジションにいたのはバートリー(5番)だったが、ディアニュ(17番)の得点は認められず。(C)Getty Images

 プレミアリーグでVARを巡る問題がまた起こってしまった。

 現地時間4月12日に行なわれた第31節、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン対サウサンプトン。3-0でホームの前者が快勝を収めた一戦で、問題のシーンが起きたのは開始4分だった。

 WBAが攻め込むなか、マット・フィリップスが左足で放った強烈なシュートは相手守護神フレイザー・フォースターに阻まれるも、こぼれ球を拾ったダーネル・ファーロングが身体を倒しながら上手くボレーシュート。これをゴール前のエムバイェ・ディアニュが頭でコースを変えてゴールネットを揺らした。

 ただ、直後にオフサイド判定となり先制点は幻に。VAR検証後もそれが変わることはなかった。

 しかし、リプレーを見ると、オフサイドポジションにいるのはディアニュではなく、その奥にいてプレーに関与していないカイル・バートリーだった。

 英衛星放送『Sky Sports』は、試合後にVARのマッチセンターから、「バートリーがカメラの視界を遮ったため、オンサイドだったことを決定的に証明できず、判定を覆すことができなかった」と、説明を受けたという。

【動画】明らかな誤審?WBAの先制点が取り消された問題のシーンはこちら
 この判定には批判が殺到。現役時代はアーセナルなどで活躍した名ストライカー、ケビン・キャンベルは、「VARやその活用法を巡る問題は、もう十分だ。あれは完全にゴールだった。ウェスト・ブロムがその後ゴールを決めたことで、ラインズマンとVAR担当者は牢屋から出てきた。不名誉なことだ」と批判した。

 また、元イングランド代表DFジェイミー・キャラガーは、「VARではディアニュの肩を見ることはできないが、彼がオンサイドであるという証拠は、オフサイドであるという証拠よりも多い。これはシステムの問題を浮き彫りにしている」と、VARの限界を唱える事態にまでなっている。

 そして、WBAのサム・アラダイス監督も判定に言及。苦言を呈している。

「明らかに大きな失望は、我々が決めた最初のゴールだ。ただ幸いなことに、それは私たちの結果には影響しなかったが、そうなる可能性は十分にあった。あの判定を克服して、我々にふさわしい勝点3を手にすることができたのだ。でも、もう終わったことだ、そんなことはどうでもいい。次の機会には、ゴールが与えられることを願うばかりだ」

 VTRでチェックしても完璧ではない。毎週のように議論になるVARに、また新たな問題が浮上したと言えるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

次ページ【動画】明らかな誤審?WBAの先制点が取り消された問題のシーンはこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事