選手権4強の帝京長岡など実力校とJユース勢が鎬を削る――群雄割拠のプリンスリーグ北信越が熱い!

2021年04月12日 安藤隆人

「例年になく厳しい戦いになる」開幕戦でそれを証明する戦いに

選手権で2年連続4強の帝京長岡がプリンスリーグ北信越で白星スタートを切った。写真:安藤隆人

 関東や関西に遅れること1週間、プリンスリーグ北信越が4月10日に開幕をした。新潟明訓高校グラウンドでは新潟明訓、帝京長岡、北越の新潟の3チームと石川県の星稜が集結し、戦いの火蓋が切って落とされた。

「今年は本当に例年になく厳しい戦いになる」と昨年就任した新潟明訓の坂本和也監督が口にしたように、今年の北信越はどこが上位に顔を出してもおかしくない、逆に言えばどこが降格してもおかしくはない混戦模様となっている。上記した4校以外にも富山第一、丸岡に加え、アルビレックス新潟U-18、ツエーゲン金沢U-18、松本山雅U-18、カターレ富山U-18とJユース勢が揃う。

 開幕戦はそれを証明する戦いだった。第1試合は新潟明訓と星稜が激突。近年、中村亮太朗と関口正大(いずれもヴァンフォーレ甲府)と大学経由でプロを輩出している新潟明訓は、スピードアタッカーの内藤大夢とキープ力に長けた帆狩楓弥の2トップを軸に前への推進力の高いサッカーを展開。11分に「前田大然選手のプレー集を坂本監督に見せてもらってイメージしていた」という内藤がスピードを駆使してゴール前に侵入をすると、「相手DFの股の下が空いていたので、そこに思い切り蹴り込めばGKも反応できないと思った」と冷静に右足を一閃。ゴールに突き刺して先制点をもたらした。

 一方で「今年は特出した個がいない分、チームとして戦わないといけない」と河合伸幸監督が語る星稜もここから反撃に転じる。昨年のレギュラーはCB中村実月のみだが、10番を背負ったボランチの岡田伯斗を軸にテンポの良いパスでリズムを作り出すと、55分にはPKを獲得し、これをFW山崎陸成が冷静に沈めて同点に追いついた。

 試合はそのままドローで終了。新潟明訓は内藤を始め、フィジカルベースが高く、インテンシティの高いサッカーを今年も展開することを示した。星稜は昨年まで星稜中の監督を務めていた木原力斗氏が高校のコーチに復帰。木原コーチは選手権初優勝の時、大会前に事故に見舞われた河﨑護前監督の代わりに代行監督としてチームを指揮した経験を持ち、河合監督と新たなコンビで再スタートを切る。ともに優勝する力を持っているチームだけに非常にこれからの成長が楽しみだ。
 

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